“都立の秘密兵器”片倉・金井が初完封星!

 「高校野球西東京大会・準々決勝、片倉5-0東亜学園」(22日、神宮)

 西東京では、片倉が東亜学園を破り初の4強入り。金井貴之投手(3年)が5安打で公式戦初完封を飾った。昨夏甲子園優勝の日大三は日野に完封勝ちし、準決勝に進出した。

 楽しくてたまらない。待ちに待った舞台で、片倉のエース・金井が培った力を爆発させた。九回、最後の打者も自慢の速球で見逃し三振に仕留め、7奪三振5安打完封の快投。同校初4強の立役者となり「100点満点です」と声を弾ませた。

 直球は自己最速にあと1キロと迫る144キロを計測し、六回2死まで無安打投球。「いけるかな」と意識した矢先に安打を許し「簡単にはいかないですね」と苦笑したが、二回で降板した4回戦の東海大菅生戦から中3日で修正してみせた。

 最初に進学した強豪・平塚学園では、右肘の故障や上下関係の厳しさになじめず、一時は野球をあきらめた。東京日野シニア時代の仲間・小林章内野手(3年)に誘われ、2年春に編入。高野連の規定で1年間、公式戦には出られなかった。

 そんな経験があるからこそ、今は笑顔が絶えない。「神宮に立つことも一つの夢だった。お客さんがいっぱい居る中で投げられて楽しかった。すごく幸せ」と喜びをかみしめた。

 03年の雪谷(東東京)以来、都立校9年ぶりの聖地まであと2勝。「どこよりも楽しく野球ができる」という片倉の仲間には感謝しかない。「夢がすぐそこまで来ている。自分が来たことで投げられなくなった子もいる。恩返しのつもりで勝ち抜く」。最後の夏にベールを脱いだ“都立の秘密兵器”が、一気に頂点まで駆け上がる。

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