西条、劇的サヨナラ!小川、熱投165球

 「高校野球愛媛大会・2回戦、西条3-2伊予」(22日、西条)

 愛媛大会は西条が劇的なサヨナラ勝ちで2回戦を突破した。延長十二回、1死満塁から途中出場していた主将の田中亮多外野手(3年)が右中間へ決勝打を放った。今夏初登板のエース小川慶也投手(3年)が4安打2失点で12回完投。昨夏代表校の今治西は今治工との接戦を制して3回戦に進出。

 エースの熱投165球が勝利を呼び込んだ。“四国No.1右腕”との呼び声高い小川が今大会初登板。9回で試合を締めることはできなかったが、4安打11奪三振で12回完投。粘った末の白星に「ずっと抑えていたら、野手が絶対に援護してくれると信じていました」と最高の笑みを浮かべた。

 不安を抱えたマウンドだった。コールド発進した大洲農との初戦は背番号「11」の三好が5回完投。小川は最後の練習試合から2週間も登板間隔があくことになった。8日の穴吹戦は6回1失点だったが、納得できる内容ではなく、前日21日まで調整に苦しんだ。

 その間、メンバー外の3年生が練習をサポートしたり、ブルペンでは打席に立って、復調に協力してくれた。しかも、この日は地元球場での開催。今まで支えてくれた人たちの前で負けるわけにはいかなった。スタミナ不足克服のため、冬場に吐くほど走り込んだ成果を正念場で発揮した。

 第1シードの宇和島東が初戦で姿を消した。今春の県大会1回戦で敗れた相手の早過ぎる終戦にあらためて夏の大会の怖さを痛感。さらに自身の初登板試合で重ねて思い知った。「高校野球の一発勝負の怖さを実感しました。自分の中で成長できる試合になりました」。小川は浮かれることなく、表情を引き締めた。

 ノーシードながら優勝候補の一角とされているが、先のことは考えない。まずは中1日で戦う新居浜工との3回戦だ。課題は細かい制球力の修正と自覚できている。「今日で一戦一戦大事に戦う気持ちがさらに強くなりました。秋も春も迷惑をかけてきたので最後に皆に恩返しがしたい」。一戦必勝を積み重ねた先に秋山拓巳(現阪神)を擁し、春夏連続出場した09年以来の聖地が待っている。

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