今治西が逆転で2年連続12度目の甲子園

 「高校野球愛媛大会・決勝、今治西6‐3川之江」(29日、坊っちゃん)

 愛媛大会決勝は今治西が逆転で川之江を下し、ノーシードから2年連続12度目の優勝を飾った。1点を追う六回、笠崎遥司外野手(3年)の2点二塁打など打者10人の攻撃で一挙5得点。一回途中から救援した背番号「6」の中内洸太内野手(3年)が最後まで投げ切り、川之江の反撃を食い止めた。同校は愛媛県59校の代表として、8月8日に開幕する第94回全国高校野球選手権大会に出場する。

 今夏も“戦国愛媛”をノーシードから制した。一回1死三塁からロングリリーフした中内が最後の打者を三振に仕留めると、坊っちゃんスタジアムのマウンド付近には1年前と同じく、今治西ナインによって歓喜の輪ができあがった。

 松山東との初戦から楽な試合は一つもなかった。今春敗れた今治工、昨秋敗れた小松、そして西条、済美と難敵、強豪を連破した末の優勝。「大変厳しい組み合わせで初戦から戦ってきました。とても甲子園が見える状態ではなかったですが、選手が本当によく頑張ってくれました」。大野康哉監督(40)は一戦一戦たくましく成長した教え子に賛辞を惜しまなかった。

 強い雪辱の思いが結実した夏の連覇だ。原点は昨秋の四国大会準々決勝。鳴門に2‐16の五回コールドという屈辱的大敗を喫して、センバツ出場を断たれた。力不足を痛感した選手は例年以上に厳しい冬の猛練習を耐え抜いた。課されたメニューの一つ一つを真剣にそして全力で取り組んだ。

 必勝を期した春季大会は東予地区代表決定戦で敗退。主将の池内将哉内野手(3年)は「あの負けが逆によかった」と振り返る。危機感が募ったチームは夏に向けて、さらに一つになった。大会前にベンチ入りメンバーから外れた3年生5人は献身的にサポート役に回った。他校の偵察やデータ分析の結果はメンバーによって大いに生かされた。

 池内主将は「練習はどこのチームにも負けない。やることを当たり前にやったら勝てるということが分かった」とノーシードからの連覇に自信を深めた。今治工との2回戦、接触プレーで左手甲を骨折していたが、痛み止めの薬を飲みながら出場を続け、主将として最後までチームを引っ張った。

 2年連続で夏の甲子園に乗り込むのは熊代聖人(現西武)を擁して出場した06、07年以来。昨夏は健大高崎に開幕試合で敗れている。「今まで1年間のすべてを出し切って、粘り強い今治西の野球をしたい」と誓った池内主将。激戦を勝ち抜いて確かな自信を得た。今年こそ5年ぶり夏の聖地に校歌を響かせる。

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