鳴門、春夏連続!エース後藤田感涙

 「高校野球徳島大会・決勝、鳴門6-3鳴門渦潮」(28日、鳴門オロナミンC)

 徳島大会決勝は鳴門が統合1年目の鳴門渦潮との“鳴門決戦”を制し、2年ぶり7度目の優勝を飾った。味方打線の援護を受けた先発の後藤田崇作投手(3年)が3失点完投勝利で32年ぶり春夏連続出場を決めた。同校は徳島県31校の代表として、8月8日に開幕する第94回全国高校野球選手権大会に出場する。29日は愛媛大会で決勝が行われ、四国4県の代表が出そろう。

 最後の打者を打ち取ると後藤田は両手を天に突き上げた。エースの意地でマウンドを守り抜いた。九回、5安打で3点献上してなお2死一、二塁のピンチで三塁ゴロに斬った。歓喜の輪の中心で2年ぶり夏切符をナインと一緒になって喜んだ。

 「うれしいです」。勝って当然の重圧の中での徳島制覇に後藤田の目は涙で潤んでいた。130球、計14安打を浴びても粘り強く3失点で食い止めた。最終回の猛攻に耐えに耐えた末の勝利に「渦潮打線を抑え切れたことは甲子園に向けて自信になります」と再び全国で勝負できる手応えをつかんだ。

 夏に向けての取り組みが結実した。センバツ後は右人さし指の爪が割れた影響で約3週間も投球練習を回避。その間はひたすら走り込んだ。朝夕の努力の結果、スタミナなどの体力面だけでなく、ボールに従来以上のキレと伸びが加わった。今大会でもピンチでの低めへの制球は大きな武器となった。

 最終決戦では8番打者としても活躍した。相手は以前から切磋琢磨(せっさたくま)してきた鳴門渦潮。最後まで気が抜けない強敵であることは分かっていた。「まだ点数が足りなかった。自分が打って楽になりたかった」。四回に投手強襲の適時打、八回にはスクイズを決めるなどバットでも貢献した。

 鳴門の春夏連続出場は島田茂(元ロッテ)‐秦真司(元ヤクルト、現巨人コーチ)のバッテリーを擁した80年以来32年ぶり。全国8強で満足していない。「まずはベスト8、さらにその上を目指したい」と右腕は春の雪辱に燃える。エース後藤田を中心に今度は夏の聖地でも“鳴門旋風”を巻き起こす。

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