ケイバ熱盛ブログ「不安がささやかれるG1・3着馬の状態について」(2月11日)

 過去の成績、レース映像を確認(予習)↓トレセンで取材↓出走各馬の成績、レース映像、調教を吟味して予想↓馬券購入↓レース後、勝因や敗因などを分析(復習)。毎週繰り返される予習から復習までの流れだが、1日24時間じゃ足りないぐらい。それでも、このルーティンが体に染みつき、取材と馬券が大好きだからこそ、天職だと思っている、栗東・井上です。

 少しでも手を抜けば、しわ寄せは自分に返ってくる。そう、馬券で負ける。すなわち、信じてくれた読者を裏切ることになる。

 なぜ、こんな話をするのか-。13日の共同通信杯に出走するダノンスコーピオンについて、こんなやり取りがあった。

 水曜、朝イチの栗東CW。前にいる僚馬を4角でインから並びかけたダノンスコーピオン。ただ、そこからの加速が今ひとつ。突き放して先着する姿を想像していたが、内にモタれてはじけない。最後は馬なりのパートナーに外からかわされ1馬身の遅れとなった。

 オーバーペースで脚が上がったわけでもなけりゃ、時計が速いわけでもない。朝日杯FS3着馬の栗東CW6F84秒6-38秒4-12秒0はそれこそ平凡。ワタクシの目には物足りない動きに映った。

 騎乗したジョッキーに確認しなければ、追い切り原稿として成立しない。待つこと、約3時間(もちろん、他の取材をこなしながらだが)。この日の全調教を終えた川田Jに声をかけた。

 ダノンスコーピオンの感触を聞きたいんですが…。「どう思いました?」。こう返されて少し戸惑ったが、感想と、ジョッキーに取材しないと原稿として成立しない旨を伝えた。「動きとすると、間に合っていない。モタれ方がきつい。いい頃の動きがまだできていない状況です」と川田J。さらに「このまま書いて、ファンに伝えてください」と付け加えた。

 強い馬、実績馬だからといって、必ず「好調」、「仕上がっている」、「追い切りの動きがいい」というコメントが発せられるワケではない。状態面でいえば、一定の基準に達していればレースに使うのは当然のこと。遠征を経験させたい、ひと叩きしたい、など、出走理由には多くの要素が含まれる。しかし、ダノンスコーピオンはG13着馬。長年競馬記者をやってきた感覚からすると、川田Jのコメントはレアケースだ。

 「新聞にネット。その向こう側には馬券を買うファンがいます。記者さんには正しく伝えてほしいんです。ボクはウソをつかないから。きょう、コメントを求められなかったら、どんな記事が出るんだろう?と不安でした。“追い切りで動いた”“いい仕上がり”ってなるのかなぁ…と」。責任感の強い、真っすぐな性格の川田Jらしい意見。ごもっともです。

 さて、ダノンスコーピオンの取捨はどうしたものか。ネット上に掲載されたデイリーの記事にネットもざわついている。川田Jは「いい頃の動きがまだできていない」と包み隠さずに話してくれた。記者も、それを読者に伝えるのが責務だ。ただ、これは追い切りで感じた状態面のこと。ダノンスコーピオンの馬券を買う人は、鞍上の求める状態面ではないことを承知で買ってほしい、というジョッキーの配慮だ。

 競馬は相手と競うもの。調子がレース結果に直結する確率は高いが、“必ず”結びつくものではない。満足のいかない状態でも、能力で補って勝つ馬も多くいる。もちろん、川田Jも勝つために全力で騎乗する。

 鞍上からはこう言われました。「記者さんには印と記事で馬券を買うファンに伝えてほしい」。ワタクシの印ですか?日曜付のデイリースポーツでご確認下さい(笑)。

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