栗東・井上です。競馬にも、最多、最速、メモリアルなど、いろいろな記録があります。でも、本人しか気づかない記録もありまして…。“自己最高”や“自己最多”というのは意外に周りは知らなかったりします。

　鮫島克駿Ｊがこんな話題を提供してくれました。「１０週連続で勝っているんです。今まで８週連続はあったんですけど」。調べてみました。１８年６月１７日から確かに８週連続で勝っています。そして、現在は１月１０日から１０週連続で１７勝！立派に自己最高を更新中です。

　先週、土曜の阪神３Ｒメイショウタニカゼをデイリー紙上のコラムで推奨しました。過去２戦は出遅れていましたが、「前で運べれば一発あると思う」と鮫島駿Ｊ。その口調は“ゲートを決めます”と言わんばかりでした。個人的に、克駿Ｊはゲートがうまい、と思っているだけに、信頼したというワケです。結果は２着でしたが、発馬を見事に決めて道中は２番手。さすが、と感心しました。

　出遅れ癖のある馬をスムーズに出す秘けつは何なの？「師匠のおかげ」。視線の先にいたのは福永Ｊです。確かに、スタートのうまさで彼の右に出るものはいないかもしれません。鮫島駿Ｊはデビューの頃から、自分が出遅れたレースをスマホで福永Ｊに見せて、アドバイスを求めていましたから。私も鮫島駿Ｊに、ゲートを出すまでのアプローチを一杯教えてもらいましたが、これは企業秘密。ゲートを五分に出すジョッキーには、その理由がある。なるほどと、うならせるものばかりです。

　今週、そのゲートに注目するなら、日曜阪神の３Ｒディーエスボンバー。とにかくゲートの出が遅く、常に後方から。さて、発馬は決まるのか？“鮫島駿Ｊでうまく出なけりゃ、馬の癖と思って諦めるしかない”。そう思っています。とにかく、１１週、１２週と自己最高を更新し続けてほしいものです。