ケイバ熱盛ブログ「お疲れさまでした」(2月11日)

 どうも。現在、予想も馬券も絶不調の栗東・松浦です。今は何をやってもうまく行きませんが、経験上、そんなときに限って取材の“当て勘”はいいんですよね。案の定、木曜朝にだだっ広いトレセンで、お目当ての加藤繁雄厩務員(梅田厩舎)を探すことなく、一撃で見つけましたよ。

 俳優の陣内孝則氏の所有馬として知られ、藤田菜七子騎手とのコンビで人気を博したナルハヤ(牝7歳、栗東・梅田)が、前走の関門橋S9着を最後に現役を引退。生まれ故郷である北海道平取町の清水牧場で繁殖牝馬となることが決まりました。

 担当の加藤厩務員にとって、一番の思い出は初勝利を挙げたデビュー4戦目。柴田未崎騎手とのコンビでつかんだ勝利です。

 「2歳の12月でしたね。調教に乗った未崎君が“いい背中をしている”と言ってくれて。内心は3歳時から活躍を期待していましたが、古馬になってから素質が開花してくれました。この馬の下地をつくってくれた彼の功績は大きいです。初勝利は不良馬場でしたが、ああいう馬場が得意みたいで、良馬場と同じぐらいのスピードで走っていましたよ(笑)。引退レースも“雨が降ってほしい”と願っていましたが、さすがにかないませんでした」

 昨年1月に2勝目をプレゼントしてくれた藤田菜七子騎手への感謝も尽きません。「脚元には常に不安を抱えていましたからね。彼女の当たりの柔らかい騎乗はナルハヤに合っていたと思います。彼女のお陰で、大きなケガもなく、無事に繁殖に上げられたと思っています」。

 また、待望のオープン入りを果たした昨年12月の逆瀬川Sは、忘れられない一戦に。「浜中君がうまく乗ってくれました。担当馬のレースを見ていて熱くなったのは、メイショウサムソンのダービー(06年)以来。思わず“頑張れ!”と声が出ましたよ」。

 重賞には手が届かなかったのですが、昨年のマーメイドSでは逃げ粘って4着に奮闘。JRA通算36戦4勝に、「本当によく頑張ってくれました。ツメの弱い馬でしたが、牧場の方々も一生懸命頑張ってくれました。みなさんのおかげです」と改めて感謝の言葉を口にしていました。

 しばしの休養を経て、初年度はリオンディーズが種付けされる予定。「楽しみですね。ナルハヤの子で、夢の続きを見たいです」。私も2世誕生を心待ちにしています。本当に、お疲れさまでした。

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