2月で引退…成島先生、お疲れさまでした
来月いっぱいで、美浦では2人の調教師が定年により引退を迎える。そのうちの1人、成島英春調教師とは厩舎開業後はもとより、調教助手の時代からお世話になっているので本当に寂しい限りだ。
成島先生が開業した94年当時は、軍国主義の教育を受けた調教師もまだまだ健在。取材は一筋縄ではいかなかった。例えば初芝となる馬で「先生、芝は?」と質問すると、「芝か?芝は緑だな」とか「そんなことは馬に聞け」などなど、偏屈な答えが当たり前のように返ってくる時代だった。そんななか、成島先生はいつも優しく対応してくれて、記者にとって一服の清涼剤になるケースが何度もあった。
一方で、大ボケをかますこともしばしば。競馬新聞に載っている新馬戦の推定体重は、ほとんどが調教師からの発表。誤差は少ないものだが「小柄で410キロくらい。仕上がり早」とコメントしておきながら、いざレースを迎えたら500キロの大型馬でビックリなどということは普通にあり「ごめん、別の馬と間違えたよ~」。また、前走を振り返ってもらおうとすると「どこを使ったっけ?」などというパターンもザラにあった。
極めつけは、ディープインパクトの三冠達成がかかった05年の菊花賞ウイークに「玉川よ~、ディープインパクトってそんなに走るのか?」と聞いてきたことだ。デビュー2戦目くらいならいざ知らず、さすがに「先生、ディープを知らんのかいな!」と怒ってしまったな。
ただ、先生の名誉のために書いておくと、出身は偏差値70を楽に超える京都一の進学校”洛南高校”。東大、京大を目指せるくらいの頭脳を若き頃は持っていたことは間違いない。
25日には記者が音頭を取り、先生の慰労会を奥様も呼んで美浦トレセン近くの焼肉屋で開いた。「このカルビ、うまいなあ」と言いながらハラミを食べていたのは相変わらずだったが、大いに盛り上がり、長年のお礼もさせていただいた。
車のナンバーが”結婚記念日”になっているほど仲のいい、成島夫婦のこと。引退後はきっと、奥さん孝行をたくさんするに違いない。現役時代にはできなかった長期間の旅行にもぜひ、行ってきてください!
(馬サブロー美浦支局・玉川 祝)
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