野球界をも巻き込んだ!?悲運の4億9000万円馬ザサンデーフサイチ物語

かつて競走馬セレクトセールで、4億9000万円という史上最高額(当時)で落札された良血馬がいました。二転三転した末に「ザサンデーフサイチ」と名付けられたその馬の運命とは。

公開日:2017.7.30

2009年12月5日デイリースポーツ紙面。唯一の重賞出走となったステイヤーズSの馬柱。ザサンデーフサイチには全く印がない

3勝目を挙げた7戦目以降の、ザサンデーフサイチの競走成績。カッコ内は人気です。

 7戦目  1着(4)
 8戦目  3着(6)
 9戦目 12着(6)
10戦目  8着(4)
11戦目  2着(3)
12戦目 10着(1)
13戦目  8着(8)=ステイヤーズS・G3、唯一の重賞出走
14戦目  7着(4)
15戦目 11着(6)
16戦目  2着(7)
17戦目  4着(4)
18戦目  9着(5)
19戦目  4着(8)
20戦目 13着(6)
21戦目  5着(8)
22戦目  5着(5)
23戦目  中止(12)=異常歩様で競走中止
24戦目  9着(9)
25戦目  8着(12)
26戦目  9着(13)
27戦目  3着(9)
28戦目  7着(11)
29戦目  7着(11)
30戦目  3着(9)
31戦目  4着(6)
32戦目  9着(7)
33戦目  9着(7)
34戦目  8着(8)
35戦目  5着(8)

競走馬としてのピークを完全に過ぎた晩年は、目を覆いたくなるような数字が並んでいます。

36戦目 11着(10)
37戦目 12着(12)
38戦目 12着(14)
39戦目 12着(16)
40戦目 12着(11)=12頭立て最下位

2015年3月22日デイリースポーツ紙面、但馬Sの馬柱

そして迎えた41戦目、2015年3月22日、但馬S(1600万下)。

41戦目 16着(15)=16頭立て最下位

この一戦を最後に、ザサンデーフサイチはターフを去ります。41戦3勝<3-3-4-31>。骨折などの不運もありましたが、決して一流馬のものとはいえない通算成績です。競走馬は4歳~5歳がピークとされていますが、ザサンデーフサイチは11歳という高齢になるまで走り続けました。

4億9000万円という値段がついて回り、ともすれば笑いのネタにされてしまいそうな結果。ですが一頭の競走馬が、色んな運命に翻弄されながらも、一所懸命に走り続けた…その事実だけは、決して侮辱してはならないことです。

終わらない物語…“4億9000万円馬の夢”は次世代へ

当初の期待を大きく裏切り、目立った成績を残せぬまま引退。これで全てが終わった…はずでした。しかし、それには続きがあったのです。

なんとザサンデーフサイチは引退後に種牡馬となったのです。種牡馬といえば、ごくごく限られた馬のみが進む道。少なくとも11歳まで走り続けた準オープン馬としては異例です。皮肉にも「血統“だけ”は抜群に良かった」ことが、改めて証明された形となりました。

2017年にはファーストクロップ(初年度産駒)となる6頭が誕生しています。人気種牡馬の産駒は年間150頭を超えることを考えればわずかですが…それでも、ザサンデーフサイチの血は、確実に次世代に受け継がれたのです。

現役時代のザサンデーフサイチ=2011年6月26日

順調ならば2018年、ザサンデーフサイチの子が競走馬としてデビューします。父の果たせなかった夢を追って。

ザサンデーフサイチ物語はまだ…終わらない。

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