野球界をも巻き込んだ!?悲運の4億9000万円馬ザサンデーフサイチ物語

かつて競走馬セレクトセールで、4億9000万円という史上最高額(当時)で落札された良血馬がいました。二転三転した末に「ザサンデーフサイチ」と名付けられたその馬の運命とは。

公開日:2017.7.30

レース当日の予想紙面。印には◎(本命)がズラリと並び、人気指数は「100」。これはよほどの人気馬でないと出ない数字です。予想本見には「焦点はその勝ちっぷり」の一文も。誰もが勝利を…いや、圧勝を信じて疑わなかった、そんな雰囲気が感じ取れます。

期待を一身に受けて迎えたデビュー戦…その結果は…。

2006年10月30日デイリースポーツ紙面

 ザサンデーフサイチ、その初陣は直線で伸びきれず3着に敗れました。まだ一度もレースで走ったことのなかった馬が「敗れたこと」で記事になっているのは、その期待が大きかったことを物語っています。

【武豊のコメント】
「返し馬では行きっぷりが良かったけど、レースになるとフワフワしていた。集中して走っていなかった感じ」

【関口房朗オーナーのコメント】
「これが競馬だから仕方ない。次は大丈夫だと思う」

骨折判明、全治9カ月…クラシック参戦は絶望的に

新馬戦では敗れてしまいましたが、まだまだこれからの馬。次こそは!と誰もが思った矢先、悲劇がザサンデーフサイチを襲います。

2006年11月12日デイリースポーツ紙面

まさかの骨折判明。

【2006年11月12日デイリースポーツ紙面より】
 4億9000万円の落札で話題を呼んだザサンデーフサイチ(牡2歳、栗東・池江寿)が右後肢骨折が11日に分かった。診断は第3足根骨板状骨折で全治9カ月。来春のクラシック参戦は絶望的になった。

【関口オーナーのコメント】
「大変ショックを受けています。池江師より詳細な説明を受けましたが、完治が可能なケガであり、競走能力に影響はないとのことです。池江師は“走る馬であることは間違いありません。古馬になってから必ずG1を獲ります”と気丈に話していました」

不運な故障により、一度きりの大舞台・ダービーはもちろん、クラシック参戦は絶望的に。
そして同時に、最も競走馬として成長する時期を棒にふってしまうことになりました。

大きな期待を集めていたザサンデーフサイチ、その歯車が狂い始めます。

10カ月後に復帰、そして待ちに待った初勝利!

2007年9月3日デイリースポーツ紙面

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