【帝王賞】村神様はミューチャリー信頼 矢野義師「ここへきて完成されてきた感じ」
「帝王賞・Jpn1」(30日、大井)
久々に先頭ゴールインの感覚を味わうと、気を良くして!?一気にスランプを脱出する馬がいると言う。今の◎ミューチャリーがまさに、それ。好メンバーがそろった上半期のダート頂上決戦に、これ以上ない流れで挑む。
前走のデイリー盃大井記念を6馬身差で圧勝。かしわ記念から中1週だったが、南関東同士では力も違った。昨年7月のマイルGP以来、10カ月ぶりのV。しかも、今までにないレース内容だった。後方から2角過ぎでまくり気味に好位へ。いったん脚をためて、3角過ぎで一気に先頭へ並びかけるという2段スパート。あっという間に後続を置き去りにした。
展開に左右されていたタイプが、自ら動いてレースをつくった。相手が楽だったと言われれば、それまでだが、新たな面を見せたのは事実。矢野義師は「ふがいない競馬ばかりだったから、ジョッキーも考えて乗ったんだろう」と御神本訓の好プレーも評価する。
26日の最終リハは船橋ダートで単走。しまい重点に5F63秒9-36秒4-12秒5で、はち切れんばかりの気合乗り。以前は使うと、馬体が減ってガタッときた馬が、「中1週で使ったのにダメージがなかった。ここへきて完成されてきた感じだね」と目を細める。
常にJRA一線級と戦ってきて、昨年の東京大賞典ではオメガパフュームに0秒2差。地力では引けを取っていない。自在性を身につけ、さらなる成長を示してきたとなれば…。
「右回りの2000メートルが一番レースがしやすい。前走勝って、馬が自信をつけてきた感じだね。ジョッキーもそうじゃないかな」と指揮官。不安は皆無。あるのは楽しみだけ。悲願成就の時が来た。(3)の単勝。
(デイリースポーツ・村上英明)