【ボート】“元同僚”松下雄一郎さんを悼む 謙虚で情熱的…“人間力、過去イチ”

 「ボートレース記者コラム仕事 賭け事 独り言」

 8日に亡くなった元デイリースポーツ記者の松下雄一郎さん。トラ番の前任はボートレース担当でした。レース部に在籍当時、記者は競輪担当だったので直接仕事で一緒になったことはありません。ただ、部会や内勤時に言葉を交わし、人柄に魅了された一人。“元同僚”として、哀悼の意を記します。

 “ヤンキースタイル”の風体。一見とっつきにくいが、実に低姿勢で謙虚、むしろ自虐的で、自分を一段下げている感じすらうかがえます。「松とら屋本舗」でのお母さんの話、やんちゃだった子供時代の話、前職の製薬会社時代の話などで読者の方々もおわかりかと思います。お酒が飲めなかったのですが、レース部の宴席で隣に座っていた記者に「アルコールが飲めないで良かった。これで酒飲みだったら、本当にどうしようもない人間でした」と自嘲して語ったのを聞きました。

 それでいて、事象への情熱は半端ではなかった。阪神タイガース、ボートレースに対してはもちろんですが、将棋はプロを目指していたほどの腕前。そして大学時代はクイズ番組出演を目指していたそうで、物事を幅広く知っています。見た目とは裏腹に礼儀正しく低姿勢、しかも熱意は人一倍。相手がひかれるのも当然です。報道陣に対してほとんど口をきかないボートレーサーが、松下記者には胸襟を開いていたとのこと。この話を聞いても納得がいきます。

 やんちゃに見えますが、まっとうな一面も。「早く結婚した方がいいですよ」と諭されたこともありました。ちゃんと地に足がついている人なんだな、と感心したものです。

 謙虚さ、と言えば…「松とら屋本舗」には何度も「当たらないからボートレース担当をクビになった」というくだりが出てきました。確かに予想を見ていて、“大胆だな”と思うことはありましたが、そんなわけないじゃですか…その人間性を見込んで、わが社の大看板である“阪神担当”を背負わせたんですよ…謙遜にも限度があります。ボートレーサーがする表現のように言えば、“人間力、過去イチ”です。お疲れさまでした、ありがとうございました。ぜひ、ボートレースのことも見守ってくださいね-。(元ボートレース担当・渡辺和明)

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