【ボート】GWのボートレース宮島「優出インタビューの真相を全てお話しいたします」神対応に感謝、感謝!

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 26年5月5日、ボートレース宮島。ゴールデンウイーク恒例の第55回若葉賞は山口剛(広島)が優勝。前年よりも進化したターンで連覇を飾った。水上のアツい戦いの舞台裏で、実はあるハプニングが起きていた。その瞬間がこの写真。センターマイクの前に立つのは船岡洋一郎(広島)。その横で口元を押さえているのが私。後ろには大笑いしている山口、辻栄蔵(広島)、大上卓人(広島)。写真には収まっていないが、右端には西野翔太(広島)と新田泰章(広島)もいた。果たして何が起こっていたのか?

 5日はシリーズの最終日。4R発売中は138期の新人・上馬場風依(うえばば・るい=広島)の新人紹介式、5R発売中は優勝戦出場選手6人のインタビューが正面玄関横のモンタステージで行われた。MCは私。宮島へ異動になって2年、アナウンスの仕事から遠ざかっていた私への久々のオファーだ。児島担当時代に14年間、新人紹介や公開インタビューは経験したが、宮島のステージに立つのは28年ぶり。宮島では早くからYouTubeで番組を配信しており、キラキラのボート女子はあまたいる。そんな状況で、ノコノコとステージに上がるなど鋼のメンタルもいいところ。私にとってチャンスは一度きり。失敗すれば終わりと気合を入れ、スーツを新調し、しまい込んでいたキラキラパンプスを履いた。前日はお酒を断って、当日は2時間も前に現場に着いた。発声練習もしまくった。私の性格を知る周囲は「力むなよ。頑張るな」「爪痕を残そうなんて考えるな。まずは普通に」と忠告。私もそれは心得ていた。普通に終える。それを第一に考えていた。それなのに、ああ、それなのに…。

 1回目のステージ、新人紹介のど頭で『初お披露目』を言えずカミカミ。観客の女性から「頑張って~」と励まされ何とか乗り切った。(おいおい、新人選手の紹介で大ベテランがそんなんでどうする=注・心の声)。続いて2回目のステージ。7センチヒールのキラキラパンプスの私は、一人で階段を上がれず女性スタッフの肩を借りて壇上へ。その様子は観客に丸見えだ。「ヨッコラショ」と声に出してステージに再登場。実は2ステージの合間に、私はレースの直前予想も行っている。迫り来る時間との闘い。普段は緊張しない私も、ヒリヒリとした緊張感の中、徐々に体力は限界に近づいていた。

 そして本番に突入。「優勝戦出場、6選手の登場で~す」。枠番順に、山口、辻、大上、船岡、西野、新田。広島支部の精鋭6人がステージに現れた。所要時間は14分。サクサクやるしかない。1号艇の山口をセンターに招き、他の選手はイスに掛けて待機する。しゃべりのうまい山口に任せておけば問題ない。続いて辻、大上。ここで異変が起きた。口の中に水分がな~い。緊張で喉の奥がカラカラになるアレではない。口内の全水分が突如消失した感じだ。4人目の船岡がマイクの前に立った時「ちょっと休憩」と私は停止。人間追い詰められると思わぬ行動に出る。私は後ろを振り返り「口の中がカラカラで言葉が出ない」と口パクで辻にSOSを発信した。私の記憶では一瞬の空白後「水、水。潤してあげて~」と辻の声が聞こえた。振り返ると、山口の手元に水のペットボトルがあった。パキッ。いい音を立てて山口がペットボトルを開けた。私は観客にお尻を向けて水をガブガブ。助かった~。そして私はあろう事か、飲みかけのボトルを山口に押しつけてステージ中央へ。この間、ずっと立たされたままの船岡に平然と言い放った。「どこまで話したっけ?」。すると船岡が優しいあきれ顔でこう返答。「忘れましたよ!!」。ごめ~ん。そう、この瞬間があの写真。会場はドカンと笑いに包まれた。秀逸なのは船岡の締めのコメント。「それではファンの皆さまにひと言」と振ると、「喉が渇かないように頑張ります」ときた。そしてまた、会場はドカン。私の水分補給のせいで西野と新田のインタビューは早送り。何とか無事?に優出インタビューは終わった。

 いやはや、何と申しましょうか。これは本来なら大失態。舞台袖では、どうやって水を飲ませるかとスタッフが協議。そのやりとりに気づいた山口が「それ、貸して」と水を受け取り、パキッとフタを開けてくれた。トータルで14分間しかなかった中で、流れるようなこの動き。ステージを運営するスタッフの方々と、温かく見守ってくださった観客のみなさん。そして神対応でステージを盛り上げてくれた選手たち。一致団結し『よしもと新喜劇』の世界観を作り出してくれた。選手をピットへ送り出したあと、「ファンのみなさま、くれぐれも水分補給をお忘れなく」と締めくくる私。おまえが言うか、と心の中でツッコミを入れた。

 いやぁ、やっぱり現場は面白い。なんて甘っちょろいことは申しません。プロとしてお恥ずかしいばかり。ただ、私は一日幸せでした。感謝、感謝、感謝しかありません。ありがたいことに、次節開催のG1・宮島チャンピオンカップ(6月4~9日)でも優出インタビューの機会を頂戴しました。今度こそ、普通に全ういたします。その中で、定型文では出てこない、本音や表情を引き出せればと思っております。

 宮島ボートの公式ホームページのフォトギャラリーでは、大庭カメラマンが激写した写真の数々を公開中。今回の写真は、この中の一点を掲載させていただきました。普段は見ることのできない、選手の素晴らしい表情を是非ご覧ください。笑わない男、船岡が不覚にも笑ってしまったお宝写真もお楽しみあれ。(ボートレース宮島担当・野白由貴子)

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