【競輪】“近畿のキーマン”寺崎浩平がビッグ戦線を賑わせる

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 14日に終了した和歌山記念は古性優作(大阪)の優勝で幕を閉じた。昨年のグランプリでは悔しい結果に終わったが、今年の初戦をしっかり勝って、好スタートを切った。今年も競輪界の中心として活躍が期待される古性がこの開催中に「今年の近畿のキーマン」として指名したのは寺崎浩平(30)=福井・117期・S1だ。菊池岳仁(長野)とともに、史上初の早期卒業生として競輪選手養成所を2020年に卒業。無傷の18連勝でS級へ上がり活躍するとともに、ナショナルチームにも所属して自転車競技でも活動した。昨年に「世界選手権の結果でパリ五輪の選考が厳しくなった。ズルズル続けるよりはと言う思いもあって、スパッと切り替えた」とナショナルチームから卒業。今年は本格的に競輪一本に取り組む1年目となる。

 近畿は脇本雄太(福井)と古性のS級S班2人が引っ張り、今年は近畿勢でのタイトル総なめを目標に掲げる。ビッグレースでこの2人が安心して前を任せる機動型が成長すれば、より目標に近づける。そのキーマンとして指名されたのが寺崎は「僕がG1組では最若手ですし、G1常連となる若手がもうちょっと出てきてくれると活気づく。結果的に近畿がG1を取っているけど、頭数を考えたらちょっと。自分も今年30になったので、若手の年齢でもない。他地区なら番手を回る年頃なので」と近畿の機動型の層が薄いことを感じつつも「あと4、5年は先行で。自分で動けるようにしたい。横の動きも覚えないといけないけど、今はしっかりタテで勝負できているので、タテで勝負をしたい」と当面は自慢の機動力で勝負をしていく構えだ。

 競輪に専念するにあたっての課題は「航続距離が長いタイプではないので、少しずつ伸ばせそう。練習はガラッとは替えてないが、長い系のメニューをやったりしている」と長い距離を踏めるようにトレーニングにはげんでいる。和歌山記念では早速その成果を見せており、決勝まで4走全て早めの仕掛けでバックを取った。寒さや強風をモノともせず踏んで、決勝では自身は3着も近畿4人で上位を固める結果に大きく貢献した。

 今年は「まだ取っていないので、記念を取ること。あとは昨年に乗れていなかったG1の決勝に乗って、自分のレースをして近畿の先頭を回れるようになりたい」と目標に掲げる寺崎。元々のポテンシャルに加えて、ナショナルチームで磨いた脚力、さらに競輪の動きをミックスすれば、味方としては頼もしく、他地区からすれば脅威の存在。競輪選手として大きく飛躍を目指す寺崎の2024年に大注目だ。(関西競輪担当・貞 友之)

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