【地方競馬】園田金盃だけでなくタガノゴールドメモリアル記念にも注目

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 「第63回園田金盃」が9日に行われる。中、長距離界の頂点を競う兵庫県競馬所属馬のみでの大一番。また、ファン投票が行なわれて出走馬が決定する地方競馬では珍しい一戦。今年から1着賞金が3000万円と増額され、取材を通しても選出された陣営の意欲は例年以上に高まってきている印象を受けた。

 投票で1位の支持を得たのはジンギ(牡4歳、橋本明)。今年の重賞制覇は7月の摂津盃の1勝だけだが、重賞チャレンジは地元での3戦だけ。ともに僅差の2着で20年は9戦して〈6300〉。3歳時に菊水賞を制した生え抜きの素質馬は、経験を重ねてパワーアップして頂点を狙える位置にたどりついている。

 2位の支持を得たのはジンギの厩舎の先輩エイシンニシパ(牡7歳、橋本明)。今年は年明けの新春賞、10月の姫山菊花賞の2重賞を制し、獲得タイトルの数を11個と伸ばした重賞ハンター。当レースでは2年連続2着に終わっているだけに、今年こそは雪辱を果たしたい。

 3位ステラモナーク(牝3歳、新子雅)、4位イチライジン(牡3歳、田中範)、5位ディアタイザン(牡3歳、碇清次)の今年の兵庫クラシック戦線で覇を競った3歳勢はともに年長馬相手には回避して、3番目での選出は6位のアップクォーク(せん7歳、新井隆)となった。今年は盛岡の芝の地方交流重賞・せきれい賞に勝利し、再度芝に挑んだOROカップでも3着に好走した異色の戦績。発馬後の落馬で競走中止となった前走では、1位入線のジンギとほぼ併走で1870メートルを走った。一発の魅力を感じるファンの支持があればこその高順位。侮れない存在か。

 以下、マイタイザン(牡7歳、新井隆)、タガノジーニアス(牡7歳、新子雅)、コスモピオニール(牡3歳、高本友)の3頭の重賞ウイナーの面々がファン投票では選出された。ただ、ここまで列記してしてきて、残念でならないのは昨年の優勝馬タガノゴールドを記すことができないこと。今年も新装姫路競馬場で行われた唯一の重賞・神戸新聞社賞白鷺賞、上半期の大一番、兵庫大賞典でも前記ジンギ、エイシンニシパ相手に優勝していて、昨年の年度代表馬は今年も兵庫競馬の頂点に君臨していた。だが、ここを目標に出走した前走の金沢での北國王冠賞で2着入線後、「突然、崩れてしまってね。けいれんをしていたし、本当にかわいそうだった」とコンビを組んできた下原理騎手が振り返ってくれた形での無念の他界。同騎手は今回の金盃にはタガノジーニアスで挑むが「(タガノ)ジーニアスも走る馬。もちろんゴールドの分も頑張りますよ」と前を向いて語ってくれた。

 先日、設置された献花台には多くの花が供えられ、ファンの方も同馬をしのんでいた。金盃の後の12レースには「タガノゴールドメモリアル記念」が組み込まれている。記者も多くの助け(迷わず本命印を打てたこと)を受けたことに感謝し、このレースにも一票を投じたい。(関西地方競馬担当・工藤修)

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