【ボート】復活した今垣光太郎に熱視線
「ボートレース記者コラム・仕事 賭け事 独り言」
昨年12月25日、瓜生正義(40)=福岡・76期・A1=が、住之江のSGグランプリを制してボート界の頂点に立ったおよそ50分前、ひとりの男が復活の勝利を挙げた。
今垣光太郎(47)=福井・63期・A1。SGグランプリシリーズをイン逃げで制した。2010年11月、からつで開催されたSGチャレンジカップ以来となるSG9回目の戴冠。「6年ぶりですか。遠い記憶ですね。もう、だいぶ昔のように感じます」。久々の美酒を懐かしそうに味わうその表情が実に印象的だった。
SGV9は歴代6位タイ。「(SGV8の)中道(善博※引退)さんの、もうひとつ上。それを超えられるかどうか…。僕にとって大きな壁でした」。6年という月日も不安をあおる。「おじさんになってきて、体力的にも落ちてきてるし、あちこちが痛い。老眼もショックでしたね」。年齢による衰えは隠せない。また「もうちょっとペラを勉強しないと…」と話すように、現在のオーナーペラ制度への対応にも苦心。ただ、そんな不安が大きくなる中でつかんだ勝利だけに、今後に与える影響も大きいだろう。
昨年は、3月の尼崎で全24場制覇(史上15人目)を達成。そして、12月の児島で通算2000勝(史上108人目)を挙げるなど、今垣にとってはメモリアルな一年だった。その締めくくりが6年ぶりのSG制覇。「これで力まずSGの舞台でも戦えると思う。とり年の年男なので、ベスト6を目指して頑張ります」。ひとつ大きな殻を破り、自信を取り戻した福井の大エース。今年の12月24日、グランプリシリーズではなく、グランプリ優勝戦となる住之江12Rに、その姿があることを期待したい。(関西ボート担当・上村武馬)