「第１４回名人戦・Ｇ１」（１６日開幕、びわこ）

　ボートレース界を長年支えてきた強豪が集う「第１４回名人戦」が１６日から２１日まで、びわこボートで開催される。

　７１歳の選手が優勝‐。３月２５日の戸田で起きた“大事件”は、ボートとはあまり縁のない世界にも大きな衝撃をもたらした。主役はもちろん、加藤峻二。優勝戦３コースから電光石火の差しを決めて、最年長優勝記録を大幅に塗り替えた。

　加藤自身「えらいことをやっちゃったなぁ」と驚きを隠せなかった。７０歳オーバーの今もなお、現役生活を続けられる原動力は２つ。強じんな足腰と、自ら「負けず嫌い」と話す強い闘争心だ。荒れ水面では存在感が大きく増すタイプ。実際、戸田での優勝の前に飾ったＶは０２年１２月のびわこ。その前は同年３月の江戸川と、難水面で勝ち切っている。陸の上でも、整備場や階段の昇降で見せるスピードは若い選手にも劣らない。

　昨年も施行者推薦で選ばれていたが、直前にケガをして欠場。２年越しの思いを乗せる。「せっかく施行者推薦で選んでもらったし、恩返しの意味でも盛り上げたい」。びわこが舞台なら、“盛り上げ役”以上を期待してもいいのではないか。