「第５２回岩田杯」（２７日、宮島）

　宮島伝統のタイトル戦は、ＳＧ覇者がずらりとそろう豪華メンバーによる優勝戦となったが、１号艇で人気を集めた茅原悠紀（３７）＝岡山・９９期・Ａ１＝がインから圧勝。完璧な調整とターンで他艇を寄せ付けず今年Ｖ３、通算６２回目のＶゴールを駆け抜けた。次位争いは激戦となり、２周１Ｍで須藤博倫が２番手に浮上。３着に馬場貴也が続いた。

　茅原の一人舞台だ。インからコンマ０９のトップＳを決め、１周１Ｍをグリッと旋回。一気に他艇を突き放して、早々と独走態勢を固めた。レース後の優勝パレードには大勢のファンが駆け付け、「ナイス、カヤ」の大コール。芸術的なターンでファンを魅了した。

　予選２位だった今節だが、準優勝戦ではただ一人逃げを決めて優勝戦の１号艇を獲得。準優直後には、「やりたいことがひらめいた。優勝戦までにしっかりとペラを叩いてやり直す」と宣言。完璧なターンで優勝を飾り、「やりたいことをやりきって、正解が出ましたね。ずっと気になっていたターン後期のロスがなくなった」と晴れやかな笑顔を見せた。

　今期はこれが最終走で、今期勝率は８・８８で他をぶっちぎって自身初の１位が確定だ。ただ、茅原本人にとってはおまけに過ぎない。「今週はこれで終わり。また来週。これからもいつも通り」とサラリ。今年の茅原は自然体。軽やかにボート界のトップを走り続ける。