「京成杯・Ｇ３」（１５日、中山）

　粗削りでも強かった。４コーナー過ぎ、大きく外に膨らんだソールオリエンスが体勢を立て直すと一気に加速する。上がり３Ｆはメンバー最速の３４秒５。圧巻の末脚で２馬身半差をつけた。衝撃の完勝劇に初コンビの横山武は「かなりの能力を持った馬」と舌を巻いた。

　ただ、レース後の鞍上は反省しきり。膨らんだ理由はコーナーを回る時に手前変換のタイミングが合わず、逆手前のままだったこと。「言い訳になるが、調教では右側に倒れる感じで、気を付けていたら逆に左に膨れてしまった。他馬に迷惑を掛けて申し訳ない気持ちでいっぱい」と陳謝する。それでも潜在能力の高さは十分に感じた。「３コーナーで手応えが怪しくなったけど、きょうは能力だけでカバーしてくれました。改めて強い馬だと思いました」と話した。

　新馬戦では直線１Ｆを競り合ってねじ伏せる勝負根性を発揮。２戦目は問答無用の末脚と、走るたびに器の大きさを見せている。手塚師も「課題はたくさんありますけど、力はある。きょうも（中山に到着後）馬房で寝てリラックスしていた。こんな感じで本番に行けたら」と見据える。

　２０１９年、２０年、２１年とキャリア１戦馬が制した京成杯から、誕生した新星。馬名の由来はラテン語で「朝日」。その名に違わず、クラシック戦線にまばゆい光を放つ。