【毎日王冠】ジャスティンカフェ 鮮やかな牝系 3代母の全弟に“幻のダービー馬”

 ジャスティンカフェの血統表
 進化を続けるジャスティンカフェ
2枚

 「毎日王冠・G2」(9日、東京)

 93年皐月賞。序盤のレースで軍資金を溶かした私は、ビワハヤヒデ、ウイニングチケット、ナリタタイシンの3強ムードに反発し、オッズ重視でガレオン(9番人気)を軸に馬券を握りしめていた。

 ラスト1F。横一線の中から、私の邪心にまみれたガレオンが、期待を上回る走りで伸びてきた。一発逆転。「差せ、杉浦!」。声を枯らしたが…応援虚しく3着に散った。

 だが、審議の青ランプ。しかも、そこそこ長い。隣のオヤジがつぶやく。「こりゃ武か岡部がアウトだぞ」。奇跡を信じて、館内放送を待つと…。「最後の直線走路で、5番、ガレオン号が他の馬の進路を妨害して…」。まさかの8着降着。ぐうの音も出ないとは、まさにこのことだ。

 さて、本題へ。今回紹介するジャスティンカフェは社台ファームの歴史そのものと言える血統馬。ノーザンテースト~リアルシャダイ~サンデーサイレンス~ワークフォースと繋いだ牝系は鮮やか。後世に伝えていきたいメアーラインだ。

 パワーの源は、4代母に当たるシャダイアイバー。デビューからわずか78日で82年オークスを制した才女。40年経った今でも、高い能力を子孫に繋いでいる名牝だ。

 そして3代母オークツリーの全弟が、前述したガレオンである。悲運とも言える彼の馬生についてはぜひネットで調べてもらいたいが、あの日、私と同じような境遇に遭った人は、彼のことを“幻のダービー馬”と崇めていることでしょう。

 時は流れ、サンデーサイレンスやサドラーズウェルズなどのきれいなクロスが入ったジャスティンカフェには、父エピファネイア譲りのフィジカルの強さが加わり、あのガレオンを進化させた強烈な末脚が備わりました。まだ4歳。あの日の夢の続きを見せてくれそうな予感がします。(デイリースポーツ・松浦孝司)

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