【CBC賞】今村聖奈 重賞初騎乗V 18歳が24年ぶり4人目偉業「人馬一体に」

 「CBC賞・G3」(3日、小倉)

 22年デビューの新人女性ジョッキー・今村聖奈(18)=栗東・寺島=が3日、テイエムスパーダを見事な逃げ切りVへと導き、重賞初騎乗初制覇の快挙を達成した。女性騎手のJRA重賞制覇は藤田菜七子の19年カペラS(コパノキッキング)以来2回目。プレッシャーをモノともせず大仕事を成し遂げたルーキーは、今後も強心臓を武器に勝ち星を量産していく。

 強心臓のルーキーが、泰然自若の騎乗で歴史を動かした。重賞の舞台も何のその、今村聖奈が落ち着いた騎乗で、テイエムスパーダを完璧にエスコート。史上初となる、女性騎手の重賞初騎乗初Vを難なく達成してみせた。

 スタンドにこだまするファンの大拍手が心地いい。大仕事を成し遂げた18歳は「うれしいです。馬は最高の状態でしたし、あとは人間がどうアプローチするかが鍵だと。馬の力を信じて自信を持って乗れたのが良かったと思います」と笑みをこぼした。

 デビューからわずか4カ月での重賞初挑戦で、パートナーは上位人気馬。それでも「重賞だからと私が気負っても、馬に余計なプレッシャーを掛けるだけ」と平常心でレースに臨んだ。先行馬有利の馬場を考慮し、最軽量のハンデ48キロを生かして一気にハナへ。前半3F31秒8という驚がくのハイペースだったが、手応え十分に直線に向くと後は独り旅。「逃げ切る気持ち良さをしみじみと感じながら、人馬一体になれたと思います」。観客のどよめきが大歓声に変わる瞬間を肌で感じながら、刻んだタイムは昨年の当レースでファストフォースが記録した1分6秒0を上回る1分5秒8(JRAレコード)。相棒の力を存分に引き出した。

 ハンデが49キロまでなら本来、主戦の国分恭が体を絞って騎乗する予定だったが、48キロに決定したため回ってきた鞍。無念だったはずの国分恭や、普段から指導してもらっている福永からのアドバイスもしっかりと生かして手にした勲章だった。

 快進撃は止まらない。続く小倉最終12Rも1番人気キングズソードで制し、この土日で3勝を加算して自身通算19勝に到達。同期のトップをひた走る。「デビューした時からたくさんの人に夢と希望、そして感動を与えられるレースをしたいと言っていたので、少しでもそういったサービスができたのなら、私は光栄です」。あどけない表情の中に宿る勝負師の目。今後も一鞍一鞍を大切に、ファンの期待に応えていく姿勢は変わらない。

 ◆今村聖奈(いまむら・せいな) 2003年11月28日生まれ、18歳。滋賀県出身。元騎手の父・康成さん(現調教助手)に影響を受けて騎手を志し、騎手課程38期生としてJRA競馬学校に入学。22年3月5日にデビューし、3月13日の阪神8R(ブラビオ)で初勝利を挙げた。座右の銘は「人馬一体」。身長158・5センチ。血液型はB。

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