【天皇賞】エフフォーリア 3歳戴冠 19年ぶり史上4頭目快挙 厩舎一丸で雪辱果たす

 「天皇賞(秋)・G1」(31日、東京)

 注目の一戦を制したのは、3番人気のエフフォーリア。02年シンボリクリスエス以来19年ぶり、史上4頭目の3歳馬Vを飾った。鼻差に泣いたダービーから5カ月。雪辱を胸に刻み、厩舎一丸となって突き進んだ日々が、最高の形で実を結んだ。2着は1番人気のコントレイル、3着が2番人気グランアレグリアと“3強”が見応えのある走りで上位を独占した。

 一つの挫折が人馬をより強くさせた。鼻差で競り負け、キャリア初の敗北を喫したダービーから5カ月。これまで味わったことのない、得体の知れない悔しさ。だが、間違いなく能力は高い。そう信じて疑わない。「あの敗戦があったからこそ」と、鹿戸師は厩舎一丸を強調。エフフォーリアを再び歓喜の中心へと送り出した。

 ラスト200メートル過ぎで、グランアレグリアをかわして先頭へ。最後はコントレイルの猛追を1馬身差で封じ込めた。「すごい強い馬。不安もあったけど、よく我慢してくれた。手応えも残っていたようなので、何とかやってくれると信じていた」と再び輝いた愛馬を頼もしげに見つめた。

 悪夢のダービー。「本当にショックだった。あれだけのお客さんに応援してもらって、単勝も1・7倍。勝てる、勝たなきゃ。ものすごいプレッシャーもあった。だから、どうしようって」。ただ、すぐに気持ちを切り替えた。「負けたけど、これでエフフォーリアが終わるわけじゃないから」。“雪辱”の二文字を胸に刻み、新たな戦いの場を関係者と模索。クラシック最終戦の菊花賞ではなく、「ベスト」と判断した盾の舞台へ照準を定めた。

 3歳馬によるVは、中山で行われた02年シンボリクリスエス以来19年ぶり。当時、騎手として藤沢和厩舎の調教を手伝っていたこともあり、クリスエスの背中にもまたがった。「素晴らしい馬だった。クリスエスには追いつけないけど、これで少しは近づけたかな」と史上4頭目の快挙を喜んだ。そして、「(藤沢和師から)おめでとう、と声を掛けてもらった。すごくうれしかった」と恥ずかしそうにほほ笑んだ。

 次は年末のグランプリ・有馬記念(12月26日・中山)へ向かう予定だ。歴史に名を刻んだ若き王者は、再び祖父シンボリクリスエスが3歳時に制した舞台へと照準を合わせ、王道を突き進む。

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