【菊花賞】ブラストワンピース絶品リハ デビューから5戦4勝…ラスト1冠へ

 「菊花賞・G1」(21日、京都)

 最後の1冠は譲れない。東の実力馬ブラストワンピースが17日、美浦Wで絶好の動きを見せた。ダービーは進路を切り替えるロスが響いて5着に敗れたものの、前走の新潟記念では古馬を一蹴。上げ潮に乗って主役の座を奪い取る。

 一段とすごみを増した姿がそこにあった。前走の新潟記念で古馬を撃破し、最後の1冠に挑むブラストワンピース。530キロを超す巨漢馬の割には俊敏に動けるため、普段から追い切りを良く見せるタイプだが、それを差し引いても最終リハの内容は絶品だった。

 美浦Wで僚馬サーワシントン(4歳500万下)とペルソナデザイン(2歳未勝利)を追走する形でスタート。終始楽な手応えで進出し、直線で馬体を併せると、最後は2頭を置き去りにした。走破時計4F50秒7-37秒1-12秒6も優秀だ。

 大竹師は納得の表情でケイコを振り返る。「先週はコーナーの立ち上がりで少しタイムラグがあったように思えた。それが、きょうはしっかり反応させて、その刺激に対する反応が良かった」。追い切りは助手が騎乗したが、美浦に駆けつけた池添を背にゲート練習も入念に行った。「ここ数戦、ゲートの中でソワソワするので確認作業を行った」と師は説明。大舞台に向けて万全を期している。

 1番人気に推された前走の新潟記念を快勝。35年ぶりとなる3歳馬Vを果たした。その内容もスケールの大きさを感じさせるもの。後方から大外一気の競馬で古馬を子供扱いにした。「ゲートで立ち遅れて大外を回る形となったが、改めて力があることを認識したレースになった」とトレーナーは回顧する。前走は想定外の競馬。それでも歴戦の古馬を力でねじ伏せた内容に驚きを隠せない様子だ。G1未勝利ながら、間違いなく世代トップの実力馬だろう。

 舞台は未知の京都芝3000メートル戦。「この馬は折り合いを苦にしないので、距離に関しての不安はない」とキッパリ言い切る。デビューから5戦4勝。唯一の敗戦は、直線でスムーズさを欠いたダービー5着のみだ。まだ底を見せていない東の逸材が、春の実績馬を蹴散らし、最後の1冠をつかみ取ってみせる。

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