藤田菜七子騎手（２１）＝美浦・根本＝が１９日の新潟３、７Ｒをともに逃げ切ってＶ。ＪＲＡ所属の女性騎手としては初となる一日２勝を挙げるとともに、ＪＲＡ通算３４勝とし、増沢（旧姓・牧原）由貴子元騎手と並ぶＪＲＡ女性騎手最多勝に到達した。

　先手必勝の強気なスタイルで勝ち星を積み重ねた。菜七子は新潟で７鞍に騎乗して２勝。まずは３Ｒで６番人気トニーハピネスを駆って逃げ切りＶ。２、３着も人気薄だったこともあり、３連単３２５万馬券を演出した。７Ｒでも８番人気の伏兵ライゴッドで再び風を切り、そのまま先頭でゴール。ＪＲＡ通算３４勝目を挙げ、ＪＲＡ女性騎手の最多勝利数に並んだ。

　女性騎手によるＪＲＡでの一日複数勝利は、これまでリサ・オールプレス（ニュージーランド）が２度記録しているが、ＪＲＡ所属としては初となった。競馬場に詰め掛けたファンの声援に、満面の笑みを浮かべた菜七子だが、「結果は素直にうれしいけど、満足することなく、さらに上を目指したい」と表情を引き締める。

　意を決して飛び込んだ勝負の世界。中央競馬現役唯一の女性ジョッキーは「なりたくてなったので、女性だからでなく一人のジョッキーとして活躍していきたい。同期に負けたくないし、先輩にも負けないようにしていきたい」と強い決意を示した。

　既にＧ１騎乗が可能な勝利数に到達し、この秋にも夢の大舞台へ挑む可能性は十分。デビュー３年目でＪＲＡ女性騎手最多勝利数に並んだ菜七子は、この先も次々と記録に残る勝利を積み上げていく。