【オークス】アーモンドアイ 完璧2冠 39歳バースデーのルメール「自信」の連覇

 「オークス・G1」(20日、東京)

 ぐうの音も出ない強さとはこのことだ。同世代のライバルをあっさり蹴散らし、1番人気のアーモンドアイが牝馬クラシック2冠を達成。06年2着に敗れた母フサイチパンドラの無念を晴らした。昨年に続く連覇を決めた鞍上ルメールは、くしくもこの日が39回目の誕生日。最高の形でメモリアルデーを飾った名手は、改めて牝馬三冠達成に向けての自信を語った。

 恐れ入りました。そうこうべを垂れたくなるような文句なしの強さ。アーモンドアイが完璧な内容で2冠女王に輝いた。

 多くのファンが予想したことだろう、最後方からの強襲劇を決めた桜花賞と同様の競馬を。ところが抜群のスタートを決めると、いくらか行きたがるそぶりを見せつつも、好位の6番手で最初の1角を迎えた。スタンドのどよめきもどこ吹く風。続く2角ではしっかり折り合い、馬群の外めで流れに乗った。この時点でルメールはVを確信したという。

 「きょうは暑さのせいか、皮膚がピカピカじゃなかったし、少しテンションも高かった。だからいいスタートが切れたので、いいポジションを取りに行った。すぐハミを取って心配したけど、2角でリラックスしてくれたので、また自信が増えたよ」と鞍上。「外からプレッシャーもなかったからね。向正面で勝てると思った」。ゴール前は後ろを確認する余裕すらあった。

 桜花賞V直後のインタビューで「トリプルクラウンを狙える馬」と宣言。この中間も「日本を代表する牝馬だからね。負けないと思う」と自信たっぷりに言ってのけたが、それでもプレッシャーはあった。「今回は1番人気。ミスはできない。でも、馬にいっぱいの自信があったから大丈夫だと思った」と胸の内を明かした。昨年のソウルスターリングに続く連覇を達成(史上6人目)した名手は、この日が39回目のバースデー。「みんなが勝ちたいと思うレースを2年連続で勝てました。うれしい」と顔をくしゃくしゃにした。

 秋には史上5頭目の牝馬三冠が懸かる。改めて“トリプルクラウン”への可能性を聞かれ、「(秋華賞の)2000メートルも大丈夫だし、トライしたい。ポテンシャルが高く、海外にも行ける」と力強く言い放った。夢は広がるばかり。アーモンドアイ…美女の瞳が見つめる先は、果てしない可能性と希望に満ちている。

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