【菊花賞】リアル、ラスト一冠譲らない

 「菊花賞・G1」(25日、京都) 

 皐月賞とダービーを制したドゥラメンテが骨折のため戦線を離脱。春の2冠馬不在の菊花賞はサニーブライアンが出走しなかった97年以来18年ぶりで、混戦ムードに包まれている。そんななか、ラスト1冠は譲れないと意気込むのがリアルスティールだ。皐月賞2着、ダービー4着(ともに2番人気)と3歳世代のトップグループを走り続けてきたディープインパクト産駒が、惜敗続きにピリオドを打ってG1初制覇を決める。

 春2冠を制したドゥラメンテが骨折により不在のファイナルステージ。混戦の様相を呈するなか、主役を務めるのは皐月賞2着、ダービー4着のリアルスティールだ。「何とかタイトルを獲らせてあげたいし、この相手関係なら勝たなければならない」と矢作師は、強い思いを胸にラスト1冠を獲りにいく。

 前哨戦の神戸新聞杯は逃げたリアファルをとらえ切れず2着。不覚を取った形だが、指揮官の表情に悲観の色は見られない。「1番人気になって、ファンには申し訳ない。でもこの結果には失望していない。展開のアヤだと思います」。

 勝つに越したことはなかったが、既に出走への獲得賞金はクリアしていた一戦。前哨戦のテーマは“本番につながる競馬ができるかどうか”で、この点に関しては満足のいく結果が得られた。「あれ以上は逃げ馬を追いかけられなかったが、この馬自身はしっかりと伸びていた。どれかに差されたらショックだったけどな」。確かな手応えをつかみ、トレーナーは前を向いた。

 G1初制覇に向けての調整は順調だ。1週前追い切りは福永が騎乗し、栗東CWで6F81秒8-37秒7-12秒3を記録。全兄ラングレー(4歳1600万下)との併せ馬で2馬身先着を果たした。主戦は「1回使って、余分な脂肪が取れてシャープになった」と体調アップを感じた様子。距離3000メートルの克服が最大の課題となるが「今まではハミに乗る(ハミをしっかり取る)ように調教をしてきたけど、今は逆のこと(ハミを適度に抜いて力まずに走る)を教えているからね。本当に真面目な馬。頑張って対応してくれようとしている」と、ひたむきに調教に励むパートナーをたたえた。

 未知の距離を不安視する声は多い。だが、矢作師は強気な姿勢を崩さない。「実際に3000メートルを走った馬はいないわけだし、生粋のステイヤーも見当たらない。皆さんが気にするほど俺は気にしていない。むしろ紛れがない分、いいと思っている」。競馬界では昔から“最も強い馬が勝つ”と表現される舞台。最後の1冠は譲れない。

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