「日本ダービー・Ｇ１」（５月３１日、東京）

　１番人気馬の春Ｇ１連敗を「７」でストップさせたのは、ファンから愛されるイタリアの名手だった。皐月賞馬ドゥラメンテを完璧に操り、ミルコ・デムーロ騎手（３６）＝栗東・フリー＝は０３年ネオユニヴァース以来のレース２勝目。ＪＲＡへの移籍初年度から大きな夢をつかんだ。２着には５番人気のサトノラーゼンが奮闘し、３着はサトノクラウン。

　０３年に開業した堀師はダービートレーナーになった感想を聞かれ「今まで通りですね」と淡々と答えた。一方、「レースは平常心で見ていたけど、はっきりとは思い出せない。舞い上がっていたのかも」と照れ笑い。クールな指揮官も思わず熱くなる、ドゥラメンテの圧巻のパフォーマンスだった。

　皐月賞は４角で大斜行。「荒々しいと言われるが、我々にとっては非常に恥ずかしいこと」と厩舎一丸となって改善に取り組んだ。落ち着き払った装鞍所～パドックの気配は、まさしく努力の結晶だ。サトノクラウンは３着となり、６７年藤本冨吉師以来の同一厩舎ワンツーは逃したが、圧倒的な存在感を見せつけた。