「京都牝馬Ｓ・Ｇ３」（２４日、京都）

　天国の前オーナーに重賞タイトルをささげる。ベルルミエールを以前に所有していた佐々木完二氏は、昨年２月１日に死去。今は息子の政充氏が引き継いだ。同馬は命日に２勝目をマーク。前々走、前走と条件戦を連勝しオープンに返り咲いた。高橋亮師は「約１年後の重賞に、こうしてタイミング良く使えるようになるとは想像していなかった」と成長ぶりに目を細める。

　勝利に向けて打てる手は打った。調教で右にもたれる面を考慮し、２１日の最終リハではハミをトライアビットに替えた。前オーナーの義理のおいにあたる川島も、騎乗後「真っすぐきれいに走れていた」と馬具の効果に手応え十分。師も「態勢は整った。メンバーは強いが、京都の芝はいいから」と、３戦３勝と好相性を誇る舞台に期待した。

　レースの翌週に、前オーナーの一周忌を迎える。「そういう意味でも頑張ってほしい」と力を込める指揮官。伸び盛りの４歳馬が、亡きオーナーの思いを後押しに、念願の重賞初制覇を成し遂げる。