【朝日杯FS】ナインボール下克上だ

 「朝日杯FS・G1」(21日、阪神)

 昨年の北海道サマーセールでわずか100万円(税抜き)で落札されたコスモナインボールが果敢にG1にアタックする。持ち前の勝負根性を生かして目下3連勝中。“格安馬”がサクセスストーリーを実現させるか注目だ。

 競馬は血統や前評判が全てではない。コスモナインボールは昨年の北海道サマーセールで100万円(税抜き)。サラブレッドは億単位で取引されるケースもあり、まさに“格安”の買い物だ。それが既に落札価格の約30倍にあたる2980万円(本賞金)を稼ぎ出している。

 雑草特有のタフさを持つ。「デビュー前からしっかりしていた馬。弱いところがなく、とにかく順調にメニューを消化してくれる。疲れたところを見せたことがない」と三野輪厩務員。まだ体質的な課題を抱えている馬も多い2歳馬にとって、加減なく追い切りを敢行できる点は大きな強みと言える。

 レースぶりもまたしぶとい。未勝利-アスター賞-アイビーSはいずれも先行策から押し切った。2着馬との着差はそれぞれ半馬身、首、頭。派手さはないが、ゴール前のたたき合いでは非凡な勝負根性を発揮する。「3走前は重馬場で勝っている。雨が降ればなおいい」と週末の雨予報には思わずニヤリだ。

 開業2年目の和田雄厩舎は、現2歳馬が計9勝をマーク。先週の阪神JFでG1に初参戦(スマートプラネット=6着)し、今週は“100万円馬”を送り込む。「スタッフにいろいろ任せてくれるんだ」と三野輪厩務員。風通しのいい環境で成長を遂げた雑草が、大舞台でも渋い輝きを放つ。

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