【札幌記念】ハープ前哨戦負けられない

 「札幌記念・G2」(24日、札幌)

 今秋、海外に羽ばたく2頭が北の大地で激突する。3歳牝馬として初めて凱旋門賞に挑むハープスターは、始動戦に向けて上々の仕上がり。一方、宝塚記念で史上初の連覇を決めたゴールドシップも好気配を漂わせている。“世界戦”を控えた2頭の戦いぶりに注目だ。

 始動戦を制し、そして世界へ‐。ハープスターが大志を胸に札幌記念に臨む。

 札幌に入厩したのは7月30日。松田博師は「牧場で乗り込んでもらっていたから、太め感もなくいい感じで帰ってきた」と帰厩当時を振り返る。3日に初時計をマーク。ここまで計5本の追い切りをダートで消化している。

 札幌記念をステップに凱旋門賞へ挑戦する。「どこかを叩かんとアカンからな。使うならここ(札幌記念)がベスト」。札幌は脚質的には不向きな小回りコースだが、トレーナーに迷いはなかった。

 ただ、海外遠征を控えた始動戦。もちろん、完璧に…というわけにはいかない。どの程度の仕上がりで臨めるのか?「七分ぐらいにはもっていけると思う。それぐらいの状態でもいい勝負をしてもらわんと、凱旋門賞なんて言ってられんからな」と力を込める。

 桜花賞は上がり3F32秒9の末脚で17頭をごぼう抜きした。続くオークス。クラシック2冠目でも後方待機から、メンバー最速の上がりを記録したが、首差届かず2着に敗れた。「蹄鉄が外れかかっていた。それが敗因なのかは誰にも分からんけど、影響がないことはないやろうな。それでも一番強い競馬をしているんやから」。愛馬に寄せる信頼は揺るがない。

 凱旋門賞挑戦は5年越しの夢でもある。「ブエナは蟻洞(ぎどう=爪の疾病)で行けなくなったから」。09年夏、ブエナビスタは今回と同様、前哨戦として札幌記念に臨み2着に敗れた。同時に右前脚に蟻洞を発症していることも判明し、遠征を断念した。

 「3歳馬だけに行ってみたい。4歳や5歳なら、そう思わんのやけどな」。古馬牡馬とは5キロの斤量差がある3歳牝馬なら世界一になるチャンスがある。そうにらんでいる。待ってろ、世界の強豪馬。ワールドクラスの末脚を、北の大地から海の向こうへと発信する。

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