【マイルCS】ラー重馬場でも迫力満点

 「マイルCS・G1」(17日、京都)

 水分を含んだ重たい馬場も何のその。初のマイル戦で頂点を狙うトーセンラーが13日、武豊を背に栗東坂路で併走馬を5馬身ぶっちぎった。中間は坂路での調整を増やし、1600メートル仕様の仕上げを施されてきた。〈3・1・3・1〉の京都巧者。レース連覇&G1V100のかかる鞍上とともにマイル界制圧を狙う。

 新境地を開く準備は整いつつある。朝一番にトーセンラーが現れたのは栗東坂路。ほぼまっさらな路面を軽快に駆けだした。蹴り上げるチップの重さとは対照的に、跳ね上げる後肢の運びは軽い。

 武豊が軽く促すと、併走していたメテオライト(4歳500万下)をあっという間に置き去りにした。4F53秒7‐38秒9‐12秒3で5馬身の先着。雨の影響を受け、総じて時計がかかる馬場状態の中、ラスト1Fの数字はこの日の栗東坂路でNo.2と、最後までしっかり動いた。

 引き揚げてきた馬体は皮膚を極限まで薄く見せるように最高の仕上がりに帰着した。「開場すぐとはいえ、馬場はすごく重かった。なのに迫力があったね。ラストもしっかり動いたし、いい動きでした」。名手の手にも心地良い感触が残った。

 仕上がりが万全となれば、焦点は初めてとなるマイルへの挑戦がどちらに転ぶのかという一点となる。これまではコースで長めを追われることが多かったが、距離短縮を意識してこの中間は坂路での多めの乗り込みにシフト。「厩舎もそういう仕上げをしてきているし、きょうも行きっぷりは良かった。もともと1800メートルも強い馬。対応できると思う」と鞍上は力強くうなずいた。

 中長距離を使われてきたが、本来は折り合いが好走の鍵を握る馬だ。「自分のペースで走りたい馬だね。あんまり急がせたり、ゆっくりさせ過ぎたらいけない。そのあたりは何となくつかんでいるつもりですよ」と手の内に入れている。

 自身にとってはサダムパテックで制した昨年に続く連覇、そして地方、海外を合わせたG1V100達成もかかる。相棒は京都で〈3・1・3・1〉と、コース相性も抜群。「右回りと、下りから4角を迎えるのがこの馬に合ってるんじゃないのかな」と手応えは十分。競馬界の第一人者が、またひとつ金字塔を打ち立てるビッグチャンスを迎えた。

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