「スプリンターズＳ・Ｇ１」（２９日、中山）

　一気に節目の重賞制覇を狙う。福永はエピファネイアで先週の神戸新聞杯を制し、ＪＲＡ重賞９９勝目をマーク。今週はシリウスＳでマルカプレジオ、スプリンターズＳではマジンプロスパーに騎乗し史上７人目、現役では４人目の重賞１００勝目に挑む。「重賞を勝つのはそんなに簡単じゃないから」と慎重だが、勝てば武豊（２８歳４カ月６日）に次ぐ史上２番目の若さ（３６歳９カ月２０日か２１日）での記録達成だ。

　マジンプロスパーは前走のＣＢＣ賞で、のちのサマースプリントシリーズ王者・ハクサンムーンを撃破し連覇を達成。「上がりも速かったしレコード（１分８秒０）で走っている。力をつけているね。去年のスプリンターズＳ（１２着）の時より具合もいいみたいだし」と好感触だ。大本命ロードカナロアとの激突にも「競馬は何があるか分からない。去年は力が違う感じがあったけど、今年は去年ほどの差は感じないから」と、穴党が思わず大喜びしそうなコメントで野心をのぞかせた。

　９９の重賞タイトルとともに着実にキャリアを積み上げてきた。国内外でＧ１・４勝を誇る短距離界の絶対王者が相手でも、レース前から白旗を揚げるつもりはない。「外枠とか、条件が合ってほしい。前走みたいな形が理想だから」と前を向く。昨年も３週連続重賞制覇（日経新春杯、アメリカＪＣＣ、シルクロードＳ）や史上初の土日重賞３勝（鳴尾記念、安田記念、ユニコーンＳ）など、一度勝ち出すと止まらない男。２週連続重賞Ｖで大台到達を目指す。