【安田記念】マイルでも世界のカナロア

 「安田記念・G1」(2日、東京)

 ワールドクラスの力をマイル戦でも見せつける。ロードカナロアは決戦前日・1日の正午過ぎに東京競馬場に到着すると、堂々とした姿で馬運車から降りてきた。「中山に行った時と変わらない。いつも通り落ち着いています」と、岩本助手は無事に輸送をクリアしてホッとした表情を見せた。

 成長期にうまく合致したのだろう。3走前の香港スプリントが大きな変化を与えた。「香港遠征を経験して、雰囲気が変わった。どっしりとして精神面で強くなった」。現在4連勝中だが、「高松宮記念よりも良くなったと思う」と天井知らずの出来に胸を張った。

 もはや規格外の存在だ。国内外でスプリントG1・3勝のスターホースに距離を問うのは愚問なのかもしれない。そう感じられるほど、陣営に不安の色は見られない。「昔はムキになっていたし、スピードで押し切っていたイメージがあるんでしょう。今は折り合いがつくし、素直な子。心配していません。あとは岩田さんに任せるだけです」。仕上げ人はそう言って余裕の笑みを浮かべた。

 香港馬の関係者からは「今年のロードカナロアは香港マイルに行くのか?」という声が上がるほど。最強スプリンターの動向は世界からも注目を浴びている。岩本助手も「勝てば選択肢が増えますからね。楽しみ」と声を弾ませる。スプリント王がマイル王の称号も手に入れる。

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