【有馬記念】ルーラー出遅れ解消へ秘策

 「有馬記念・G1」(23日、中山)

 課題を克服して“国内統治”へ。古馬の代表格として挑むルーラーシップが、日本のG1初制覇に闘志を燃やしている。天皇賞・秋、ジャパンCはともに出遅れて3着。もう同じ過ちは許されない。陣営は秘策を準備し、万全の態勢で大一番に向かう構えだ。

 誰もが認める高い能力を結果で示したい。超良血馬として、デビュー前から注目を集めてきたルーラーシップ。4月に香港のクイーンエリザベス2世CでG1初Vを成し遂げたが、国内ではいまだにビッグタイトルがない。「獲ってもおかしくない馬。欲しいですよね」と山田助手も熱望する。

 敵は己にあり‐。天皇賞・秋、ジャパンCで3着に敗れた原因は能力ではなく、スタートの問題だ。ともに出遅れて後方から運ぶ形になり、最速の上がりを駆使しても勝利には届かなかった。「今回もゲートが第一関門。前走時もそうだけど、調教では出てくれる。ただ本番ではタイミングと馬の気持ちが合っていない感じ」と確かな打開策を見いだせずにいる。

 それでも、全精力をつぎ込んで課題克服を目指す。世界の角居厩舎に“あきらめる”の言葉は存在しない。陣営は新たな策を用意。尾っぽをひもでくくり、鞍と結ぶ。トモ(後肢)を落とした際に鞍上が引っ張り、出遅れを防止するという作戦だ。「金曜(14日)にはウィリアムズがわざわざ練習に来てくれました。競馬のときと違って馬は何もせず、(ゲート内で)素晴らしい状態だった」。最善を尽くし、本番での成功を祈る。

 出来は変わらず良好。爪に不安を抱えていた昨年(4着)とは違って、順調に攻めを消化してきた。16日は栗東坂路で4F57秒7‐41秒6‐13秒1を計時。僚馬と馬体を並べて、力強いフットワークで駆け上がった。「状態は高いレベルで安定している。見栄えのする好馬体。さすがのオーラです」と一流馬が放つ独特の雰囲気は健在だ。

 ファン投票は全体でオルフェーヴルに次ぐ2位、出走馬ではトップ。人気は根強い。「期待に応えたい」と山田助手は表情を引き締めた。ジャパンCの1、2着馬が不在のメンバー構成なら能力は最上位だ。馬名の意味は“統治者”。悲願の国内統治をグランプリで実現する。

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