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【JC】ジェンティル史上最強牝馬

 「ジャパンC・G1」(25日、東京)

 これぞ競馬の魅力だ。競馬史に残る壮絶なたたき合いが、府中の11万人を超える観客を熱狂させた。3冠牝馬ジェンティルドンナが、昨年の3冠馬オルフェーヴルとの激闘を鼻差で制し、3歳牝馬では初めてのV。牝馬では初のJRA・G1年間4勝も達成した。陣営は来年の海外遠征を明言。国内最強の座をもぎ取った名牝が、世界を相手にさらなる歴史を刻んでいく。

 2頭がつくり出した世界に、もはやどの馬も入り込む余地はなかった。世界のホースマンが見守るなかで実現した、史上初の牡馬、牝馬の3冠馬対決。ジェンティルドンナとオルフェーヴルが、馬体とプライドを激しくぶつけ合う。残り150メートルで幕を開けた壮絶なたたき合い。譲らない、譲れない。日本競馬の激闘譜に刻まれた名勝負は、根性で最後まで先頭を譲らなかった3歳牝馬に軍配が上がった。

 長い審議を終え、クールダウンした岩田は冷静に戦前の心境を振り返る。「オルフェという“怪物”と戦うにあたって、どう乗るかを考えた。でも最終的には自分のレースをしようと決めた。そう、オルフェ抜きのレースです。まだこの馬の本当の走りを見たことがない。全てを出し切ったら勝てる自信はあった」。牝馬3冠の偉業を成し遂げてもなお、その“奥”を感じさせる相棒の底知れぬ可能性が、鞍上の一切の迷いを振り切った。

 導き出した結論は積極策。「この形が53キロの斤量の恩恵を生かせる。位置取りは完璧だった」と、道中3番手で無心に愛馬とのコンタクトを取る。「直線でオルフェの馬体をプッシュしてしまった。後味の悪いレースで申し訳ない。でもあのオルフェに勝ったんです。馬を褒めてあげてください」。ジャパンC史上初の3歳牝馬V。歴史的な一戦で新たな扉を開いた。

 「最後は激しかった。でも“まだ行ける”と思った。彼女は並んだら抜かせないから」。自信に満ちた表情を浮かべ、石坂師は堂々と胸を張る。5馬身差で圧勝したオークスで“規格外”と感じ、視線は国内の頂点へと向けられた。「能力は通用する。だから思い切って挑戦したんです。きょう勝って、思った通りの馬だなと確信した」。牝馬同士のエリザベス女王杯ではなく、さらなる高みを目指した指揮官の目に狂いはなかった。

 国内制圧を果たした今、向かう先は世界しかない。「今年はもう使わない。3冠を獲ったときからドバイ、アメリカ、フランスを考えていた」とトレーナーは来年の海外遠征を表明した。最多タイとなるJRAG1年間6勝、そして史上初の連覇を成し遂げた岩田も思いは同じだ。「去年勝ったブエナビスタもすごかったけど、この馬にはそれを超えてほしい。海外で勝ち負けを意識できる馬」。10年ブエナビスタの持つ、牝馬のJRA年間最多獲得賞金記録を更新した名牝は“国内最強”の肩書とともに世界へ飛び出していく。

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