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【マイルCS】ユタカ2年ぶりG1制覇

 「マイルCS・G1」(18日、京都)

 ずっと、この日を待っていた。4番人気のサダムパテックを駆る武豊騎手(43)=栗東・フリー=が、鮮やかなエスコートで、自身にとって2年ぶりのG1制覇を達成。ケガなどで不振が続いた時期はあったが、会心の騎乗で完全復活をアピールした。21回目の挑戦で初のタイトルを獲得。前人未到のJRA・G1完全制覇に王手をかけた。これまで数々の記録を塗り替えてきた“天才・ユタカ”が、さらなる高みを目指してまい進する。

 軽く握った右こぶしには、万感の思いが詰まっていたに違いない。4番人気のサダムパテックが、直線でしぶとく前を割ってV。見事なエスコートを決めた武豊が、晩秋の夕日を背にひときわ輝きを放った。「本当にうれしいですね。つらいこともあったけど、やっと勝てて良かった」。鞍上にとっては10年ジャパンC以来、2年ぶりとなるG1制覇。会心の内容に白い歯をのぞかせた。

 スタートを無難に決めると、道中は好位集団の内側に待機。勝負どころで一瞬、窮屈になるシーンはあったが、コースがあくとこん身の右ステッキがさく裂。「直線半ばで勝てるなと思った。マイルの方がいいタイプだし、(荒れた)馬場もこなせる。ここ1、2年の中では、一番チャンスがあると思っていた」。調教師に直訴して確保したパテックの背中。結果を出せる自信をひそかに抱いていた。

 日本の競馬史において、数々の記録を塗り替えてきた名手は近年、暗いトンネルの中をさまよっていた。一昨年の毎日杯で落馬事故に見舞われ、左鎖骨遠位端骨折、腰椎横突起骨折など、騎手生命を脅かすほどの重傷を負った。復帰後、その年のジャパンCこそ繰り上がりで勝利したものの、以降は勝ち星はもちろん、騎乗数自体も全盛期に比べて激減した。昨年は23年連続でクリアしてきたJRA・G1勝利が途切れ、勝率、連対率はデビュー以来最低に…。

 それでも、決して諦めるという選択肢はなかった。「うまくいかないな、と思っていたけど、常に真面目にやってました。(ファンが)待っていてくれたのは感じたし、今回の勝利を機に、もっと頑張っていけたら。久しぶりに(G1を)勝てたから、あとは“ケチャップのようにドバドバ出てほしい”」。サッカー日本代表の本田がゴールに例えた発言をまねつつ、改めて意気込みを示した。

 通算21回目の挑戦でつかんだ初タイトル。これで前人未到の記録にも王手をかけた。朝日杯FSを勝てば、JRA・G1完全制覇となる。「ここまで来たら意識しますし、達成したいですね」。43歳を迎えた天才ジョッキーの新たな船出。もう、追い風はやまない。

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