「スクール☆ウォーズ」は生きる勇気を与えてくれる

 「スクール☆ウォーズ」が長く支持されているのは、やはり生きる勇気を与えてくれるからじゃないかな。

 人の優しさ、仲間がいることの幸せ、人と人との絆、信頼…そういうものがだんだん希薄になって、孤独になっていきそうな時代だった。バブル目前で、物とかお金が人間の価値に先行しそうな世の中になっていきそうな時代に人生を歩んでいく上で、いちばん大切なものは何になるのか。それは親子関係であったり、友人関係であったり、師弟関係であったり。そういうものを「スクール☆ウォーズ」は分かりやすく見せてくれた。

 どっちかといえばダメなやつの方が多いわけじゃないですか。自分でちょっとダメだなって思ってる人たちが共感して、そうじゃないんだ、やればできるんだっていう勇気をもらえたっていうか、力を与えてくれたっていうか、励ましてくれたっていうか。理屈ではない人のぬくもりっていうか、それが一番大きいかな。

 あったかいんですよね。ホカロンみたいに直下型でバーンと熱くなるところもあるんだけど、見終わった後にいいのは、ジーンと心に残るシーン。非常に派手な作りをしているけど、中身は地味なんですよね。大映テレビの面白さもあり、シリアスな部分もあり、でもやっぱり心を動かすっていうか、胸を熱くさせる、これは理屈じゃない。

 現実の学校ではあまり体験できない、フィクションなんだけど入り込める魅力っていうか。こういう仲間がいたらなってラグビーを始めた人たちって多いと思うんですよね。

 それだけ人間って孤独だと思うんです。最終的には自分でやらなきゃいけないのは当たり前なんだけど、そこで励ましてくれる仲間がいるのは、生きてて良かったなって思えることですよね。

 一人でやらなきゃいけないんだけど、一人じゃ何もできない。「スクール☆ウォーズ」は「ワン・フォー・オール、オール・フォー・ワン」を感じさせてくれるから、これだけ残っているんじゃないですかね。自分のことにしても大切にしなきゃいけないんだよ、そうすれば人からも大切にされるんだよって教えてくれるから。

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