絶対に謝らない人に謝らせるのは逆効果?「ごめんなさい」と言えない理由とは【臨床心理士が解説】
自分のミスや落ち度が明らかであるにもかかわらず、頑なに「自分は悪くない」と言い訳や逆ギレを繰り返す人がいる。「謝ったら負け」と言わんばかりに意固地な態度をとられると、周囲は呆れるとともに精神的に大きく消耗してしまう。
このような人は、なぜ素直に「ごめんなさい」が言えないのだろうか。その心理的メカニズムや、そうした人とトラブルにならず円滑に付き合う対処法について、臨床心理士・公認心理師で、恋活・婚活スクール【and her】を運営されている田口ともさんに話を聞いた。
ー「謝ったら負け」と意固地になってしまう人の背景とはどのようなものでしょうか。
過去の苦い体験や「100か0か」という極端な思考パターンが影響しているのではないかと考えられます。過去に「先に謝ったら一方的に自分だけが悪者にされた」といった嫌な経験があると、謝罪に対する強い警戒心が生まれます。
また、こうした人は物事を「100対0」の白黒思考で捉えがちである場合が多いように思います。「ごめんなさい」と口にすることで「100%自分が悪く、相手が100%正しい(負け)」という状態になると感じてしまうのです。
ー誤りを指摘された際、言い訳や逆ギレに走ってしまうのはなぜでしょうか。
指摘を「自分の人格すべての否定・攻撃」と過剰に受け止めてしまうことが考えられます。「100か0か」の思考を持つ人は、一部のミスを指摘されただけでも「お前が100%悪い」と全否定されたように錯覚しがちです。
その結果、自己の存在価値が脅かされたと感じ、自分を守るための強い「防衛心」が働きます。この防衛反応が、言い訳で自己正当化を図ったり、相手を攻撃して自分を守ろうとする「逆ギレ」という形になって現れるのでしょう。
ー素直に謝れる人と、絶対に「ごめんなさい」が言えない人の心理的な違いはどこにありますか?
物事を「お互い様」と客観的に捉えられるかどうかの違いにあります。素直に謝れる人は、「自分にも落ち度はあったが、全てが自分のせいではない」と冷静に切り離して考えられます。そのため、自分の担当部分やミスした点だけを素直に認めて謝罪できます。
一方、謝れない人は「謝ったら全ての責任を押し付けられる」と考えるため、一部の非すら認められなくなります。問題の要因を双方にあるとバランスよく捉えられる柔軟性が、両者の違いではないでしょうか。
ー謝らない人と仕事や日常で接する際、周囲が消耗せずに付き合うにはどうしたらいいでしょうか
無理に「ごめんなさい」と言わせようとしないことが大切です。意固地になっている人に謝罪を強制しても反発を強めるだけで、お互いに消耗してしまいます。大切なのは「誰が悪いか」ではなく、「今後どうするか」に会話の焦点を切り替えることです。
相手の過剰な防衛心を刺激しないよう感情的な追及は避け、「今回はこういう要因があったから、次はこう修正しよう」と課題解決へ向けたスタンスで接するのがスマートな対応です。
◆田口とも(たぐち・とも) 臨床心理士/公認心理師/LCIQ®︎診断士
「どうせ自分なんて恋愛も結婚もできない…」と自信をなくしている方の背中をピシッとさせてポンッと押したい、という想いから恋活/婚活スクール【and her(あんどはあ)】を運営。あなたを「また会いたい」そして「ずっと一緒にいたい!」と思われる人に育てます。
(よろず~ニュース特約ライター・夢書房)
