暴力、モラハラ男と“男らしさ”は紙一重?交際前に見抜く“兆候"はあるのか【恋愛婚活心理学者が解説】
事務員のAさんは、ハイスペックで決断力がある彼に惹かれ「男らしいリーダーシップのある人」だと信じて交際をスタートした。最初は彼の強引さを『愛されている証拠』だと感じていたものの、次第に「その服は俺の好みに合わないから捨てろ、お前のためだ」など束縛は徐々にエスカレートしていく。
その後もAさんの飲み会グループに男性がいることが判明すると暴力を振るわれ、身の危険を感じるように。Aさんが意を決して別れを切り出すと、彼は激昂し「お前を殺して俺も死ぬ」と脅される事態に陥ったのだ。
Aさんは暴力を振るわれる前に、彼の本性に気づく術はなかったのだろうか。結婚相談所「SMART BRIDAL」代表取締役で、恋愛婚活心理学者の吉野麻衣子さんに話を聞いた。
-交際前のやり取りの段階で、「この人は将来モラハラ化する」「豹変する」と見抜く方法はありますか?
まだ直接会う回数が少ない段階でも、メッセージの端々にサインは現れます。まずは「こちらの予定や返信のペースを無視して、自分の都合を押し付けてこないか」に注目しましょう。返信が遅れた時に「何してたの?」「誰といたの?」と探るようなメッセージが届くなら、それは心配ではなく支配の始まりかもしれません。
また、メッセージでの会話中に「それは違うんじゃない?」と軽く意見をぶつけてみてください。そこでムキになって反論したり不機嫌さが伝わるような返信をしてきたりする人は、自己愛が強すぎて将来モラハラ化するリスクがあります。
-支配的な男性に狙われやすい、あるいは彼から離れられなくなる女性に共通することや、直すべき思考などはありますか?
自己肯定感の低さや、誰かに寄りかかりたいという気持ちが、支配的な男性を引き寄せてしまうことがあります。
「自分には価値がない」「どうせ自分は~だから」と思っていると、強引なアプローチを愛されている証拠だと思い込み、すがりついてしまいます。また嫌われたくない一心で自分の意見を言えずにいると、支配したい男性にとって都合の良い相手として狙われてしまいます。
-そもそも、なぜ危険な支配欲を『強い愛情』や『男らしさ』と勘違いしてしまう場合があるのでしょうか?
これには人間が持つ本能や、心理的な特徴が深く関係しています。
心理学における人の特性の分類で、目的のためには手段を選ばない特徴をもつダークトライアドというものがあります。こうした男性は一見すると堂々として迷いがないため、女性の目にはリーダーシップとして魅力的に映ってしまうのです。
また大昔の女性にとって、このような男性は外敵から守ってくれる『生存に有利なパートナー』でした。現代ではそれが支配や束縛というリスクであっても、脳が「私を守ってくれる頼りがいのある強い存在だ」とポジティブに錯覚させてしまいます。さらに男性が『高収入』『社会的地位が高い』であれば、より魅力的に見えてしまう心理が働くのです。
-幸せな家庭を築ける「リーダーシップのある男性」と、相手を潰してしまう「支配的な男性」にはどのような違いがあるのでしょうか?
一番の大きな違いは、あなたの自由や意思(気持ち)を尊重してくれるかどうかです。
思いやりと頼りがいのある男性は、自分の意見を伝えつつも「君はどうしたい?」と提案し、最終的な決定を相手に委ねる柔軟性を持っています。一方で支配的な男性は、自分が叶えたいとあればデートの行き先から食事、さらには女性の服装まで全て自分で決めたがり、相手をコントロールすることで安心感を得ようとします。
また、束縛を「心配」という言葉で隠すのも支配的な男性の特徴です。「夜遅いのは危ないから出かけるな、早く帰宅して」と行動を制限するのは愛情ではなく監視です。本当に愛情とリーダーシップがある男性は、パートナーを信頼して尊重し、快く送り出すことができます。恩着せがましく「これだけ尽くしている」とアピールしてくる場合も、裏に支配したい気持ちが隠れている可能性があるため注意が必要です。
◆吉野麻衣子(よしの・まいこ) 株式会社SMART BRIDAL代表取締役社長/MBAホルダー/恋愛婚活心理学者/モデル
結婚相談所SMARTBRIDAL代表として、「MBA(経営学)・心理学・AI・オンライン」を融合させた科学的根拠に基づく戦略的婚活をサポートしている。「離婚しない幸せな結婚」を理念に掲げ、どの様な境遇の方でも幸せな結婚が出来るように、多くの方を幸せな結婚に導いている。
(よろず~ニュース特約ライター・夢書房)
