“飽和の時代”生き抜くヒントは「法話」にあり!全国屈指の人気僧侶が説くお寺のチカラ

 街中の店先にはたくさんの商品が並び、スマホやパソコンを開けば、無限にコンテンツが現れる。モノもコトもあふれる豊かな時代。一方で、日々の忙しさに流され「このままでいいのか」と不安は募り、時間を得た定年・老後には「どう生きるべきか」と悩める時代でもある。そんな時代を生きるヒントを求めて、全国屈指の“人気僧侶”を訪ねた。

 新緑に包まれた神戸市須磨区の須磨寺。小池陽人(ようにん)副住職(38)は、全国の僧侶の中から宗派を超えて大賞を決める「H1法話グランプリ」の創設きっかけとなった2018年大会のグランプリ受賞者。動画配信も行っており、YouTubeチャンネル登録者数8万人超、インスタフォロワーも1.6万人を超える超人気僧侶だ。

 ストレスフルな現代について「私たちの暮らしには『ファーストプレイス』である家庭、『セカンドプレイス』である職場や学校があります。これらは“役割”を生きる場所。この二つを往復するばかりの日々では、心も体も疲れてしまいます。“役割を脱ぐ”『サードプレイス』が必要」と語る。

 「仏様の前では経歴も肩書も関係なく皆が平等です。境内のベンチに腰かけてのんびりするような『意味を求めなくていい時間』、心のサードプレイスとしての時間を提供できるのがお寺の魅力だと思います。自然豊かでお花を見ているだけでも癒やされます」とお寺を訪れる効能を説く。

 若い頃に見向きもしなかった寺社を、歳を重ねると訪れたくなるもの。「それは悩みの種類が違うからでは」と推察する。「若い頃は目の前のこと、時間軸の短いことの悩みや不安が多く、年配になるにつれ『人生とは』『生きるとは』といった本質的なことが多くなるようです。『老病死』といかに向き合うかは、2500年重ねてきた仏教の叡智(えいち)が即応していくもの。そうした悩み、生き方について分かりやすく説いていくのが法話の役割のひとつ。価値観や視点を変え、新しい気づきにつながれば。年配の方にこそ、お寺を訪れていただき、(法話を)届けたい」と話す。

 小池副住職は月に数回の法話会を開く。特別なイベント会をのぞき、ほとんどが無料だ。笑いあり、感嘆のため息あり。聞き終えた参拝者たちは、どこかすっきりとした穏やかな表情で家路に就く。須磨寺だけでなく、法話会を開くお寺は全国各地にある。いつでも気軽に立ち寄れる場所。“飽和の時代”を生き抜くヒントは「法話」にあり-。

(よろず~ニュース・田中 靖)

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