ジャニーズ性加害問題当事者の会 事務所に会見やり直しを要求 NG記者なし・質問&時間無制限で

 ジャニーズ事務所創業者のジャニー喜多川氏(19年死去)から性被害を受けた元タレントらでつくる「ジャニーズ性加害問題当事者の会」が8日、平本淳也代表名で声明文を発表。ジャニーズ事務所に記者会見のやり直しと、会見を運営したPR会社・FTIコンサルティング社に説明責任を求めた。

 声明では、2日に行われたジャニーズ事務所の会見で「NGリスト」があったとの報道に触れ「会見で行われる質疑応答の場面で『質問(挙手)される記者』を選別して指定する(しない)という、全く持って茶番劇であると多くの識者から強く批判される事態になってしまっており、折角の誠意をもって挑んだ会見であっても、すべてが破壊的な状況になってしまっているとみて間違いはありません」と指摘した。

 同事務所はNGリストへの関与を否定し、会見の司会を務めた松本和也氏もリストの運用を否定しているが「『NGリストが存在』し、また、リストに掲載された記者やジャーナリストが挙手しても、その多くが指名されていない(1名のみ指名)ことが現実として残り、否定のコメントだけで説明されても疑惑は深まる一方です」と、疑念の目を向けた。

 当事者の会は「この疑惑を払拭するためにも、会見のやり直しを求めてここに要請すると共に、リストを作成して会場に持ち込んだとされる『FTIコンサルティング』社に対して、ジャニーズ事務所(SMILE-UP.)は、混乱を招き、業務を妨害されたとして、その責任の追及を行うべきと考えます」と、同事務所がFTI社に説明責任を求めるべきだとした。

 続けて「当事者の会として重きを置いていることとしても、会見の場で、被害者への救済と補償の内容や範囲などにおいて、質問から得られる事はおおくあり、これら知りたい事を無碍(むげ)にされ、期待を裏切られていることに繋がっております」と言及した。

 会見でのNGリストは、当事者の会にとっても不利益につながっているとして「被害者の救済について、ジャニーズ事務所(SMILE-UP.)に対して、直接問えるその機会を奪われた記者やジャーナリストたちの声は、被害者の代弁としての要素も多くあり、この答えの一部または全てを失ったことと等しく思えます」とたたみかけた。

 疑惑払拭のためにも、会見のやり直しを求め「リストに載っていた指名NGの方を優先してでも、十分な質疑応答を行うべきと考えます」と表明。「被害者にとっては、記者やジャーナリストの方々の質疑は非常に有り難い存在であり、それを報じるメディアによって、関心ある世間の方々が真実を知るチャンスでもあることから、それが不誠実に終わり、疑惑だけが残ったままの状態では、ジャニーズ事務所(SMILE-UP.)にとっても不利益でしかありません」と姿勢を問い正した。

 当事者の会は「被害者のためにも、また自社のためにも、会見のやり直しを強く要請いたします。せっかく開く会見では、記者全員の質問に答えられる余裕のある時間設定をもって対応して頂きたく思います。少なくとも、一社1問ではなく、時間や数の制限による都合はなくして務めるべきと強く要望いたします」と、時間無制限の会見を求めた。

(よろず~ニュース・杉田 康人)

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