「定年後やりたかった100のこと」ベランダでキャンプ、カラオケ100点… 63歳の挑戦が200万回再生「理想の生活」

 「定年後やりたかった100のこと」に一つずつ挑戦する63歳の動画がTikTokで注目を集めている。”仕事一筋”だった生活から「毎日が日曜日」の生活に。ベランダキャンプしたり、「ろくろ体験」に初挑戦したりと、老後の日々を楽しむ姿がバズり、200万回以上再生された動画もある。

 動画を投稿するのは大阪府在住の「ドジっぺやっちゃん」さん(TikTok: @dojippeeee)。「世界中のワインを飲んでみたい」「竹馬を作って乗ってみたい」「カラオケで100点取りたい」「魚釣りして捌いてみたい」…。やりたいことを書いたカードを1枚引き、書かれたお題にチャレンジする。

 やっちゃんさんは40年間の勤め人生活を終え、今年10月に定年退職した。退職前は食品メーカーの管理職として部下のマネジメントなどをしていた。当時は「上の者は誰よりも先に行かないと」と毎朝6時10分に出社する”仕事人間”の生活を送っていたという。

 「退職してすることがなくなってボケると周りから言われましたので、何かせなあかんと」と、定年が近づいた頃から、ツイッターやインスタグラムの使い方を本で学び準備を始めた。「ボケ防止」のため始めたSNSで食べたものや朝日の写真などをブログのように投稿し、次第にYouTubeやTikTokにも進出。「-100のこと」の動画ネタを思いつき、11月から投稿を始めた。

 TikTokにはこれまで9件をアップし、「理想の生活」「人生楽しんでる感じがすごくうらやましい」「自分の父も定年を迎えたら好きなことして過ごして欲しい」などと好評を博している。160万回や200万回以上再生された動画もある。

 チャレンジの経過をテンポよくまとめた動画は、やっちゃんさん自らが編集している。文字を入れたり、アフレコをしたりと、数十秒間の動画1つを作るのに2~3時間かける。

 妻の由美子さんは「顔つきは仕事している時より明るくなったと思います。余裕ができているのとやりたいことをやっているので」と夫を見る。やっちゃんさんは「ハマるタイプ」で、動画制作をして食事の時間を忘れるほど熱中していることもあるという。

 ブログのつもりで始めた動画投稿だが、”ハマり性”のやっちゃんさんは「少し笑いを入れないとね」と内容の面白さも追求し始めた。現在はスマートフォンで撮影しているが、最近は本格的なカメラ機材の購入も視野に入れたという。

 視聴者からの大量のコメントに目を通し、可能な限り返信もする。「(仕事をしていた頃よりも)逆に今の方が忙しくなった。いろいろなコメントをチェックしないといけませんし」といたずらっぽく笑う。

 「最初は(動画を)出すだけで一方的なものかと思っていたんですけど、いろいろなコメントが返ってくるので、読む側としても『こんな感じで見てくれているんだ』と分かることがいい」と視聴者の反応を楽しみ、同世代の60代にも「(SNSで)発信するすばらしさを感じてもらいたい」と意欲を見せていた。

(よろず~ニュース・今井 佳奈)

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