藤井聡太竜王が王将挑戦決定 年度内五冠へまた前進「実力以上の成績」

 将棋の藤井聡太竜王(棋聖、王位、叡王との四冠)が19日、東京・将棋会館で行われた第71期王将戦挑戦者決定リーグ戦で近藤誠也七段と対局し、91手で勝利。リーグ戦成績を5勝0敗とし、24日の最終局を待たずに渡辺明王将への挑戦を決めた。王将位を獲得すれば五冠となり、羽生善治九段、中原誠十六世名人、故・大山康晴十五世名人に続く史上4人目の記録となる。

 終局後、藤井竜王は「序盤ちょっと方針が難しくて、進んでみると3七銀の働きが悪いのであまりうまくいっていないのかなと思いました」と淡々。中盤は「ずっと自信がない展開かなと思っていました」としつつ、「2一龍から3四歩としてこちらの攻めが間に合う形になったかなと思いました」と終盤の手応えも口に。一局を振り返って「ちょっと序盤の方針が分からなくて、少しずつミスをしてしまったと思うので、そのあたりが課題だったかなと」と話した。

 挑戦を決めたことには「これまで王将リーグではあまり結果が出せていなかったので、今期、挑戦という結果が出せたのはうれしく思います」とコメント。全勝での圧倒的な突破となったが「あまり成績は意識せずに1局1局というつもりでやってきたんですけど、結果として自分の実力以上の成績がここまで出せているのかなと感じています」と謙虚に語った。

 勝てば挑戦という大一番にも「知ってはいたんですけど、これまでと同じように臨めればと思っていました」とキッパリ。渡辺王将については「作戦巧者というか、特に序中盤の作戦は優れている。特に2日制だと1局ごとに深い考えを持たれて指されていると思うので、そこにこちらがしっかり対応できるように指せればと思います」と分析した。

 対局は藤井竜王の先手で始まり、戦型は相掛かりに。早々と前例のない形に突入し、互いに長考を重ねながらの難解な戦いとなった。中盤から藤井竜王が徐々にペースをつかむと、得意の終盤では鋭い指し回しで差を広げて快勝。唯一の1敗だった近藤七段が敗れたため、1局を残して藤井竜王の挑戦が決定した。

 藤井竜王は王将戦初挑戦となり、年度内五冠の可能性を堅持。年度内にタイトル戦の番勝負に5回登場するのは、2019年の豊島将之九段以来で、同年度の豊島九段は名人、竜王、叡王を奪取し、王位、棋聖を失冠という内容だった。

(よろず~ニュース編集部)

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