伊東ゆかり 歌手活動70年「古希コンサート」を構想 CDボックスに反響、娘との親子公演も

 幼少の頃から人前で歌った。キャリアは70年近い。ベテラン歌手・伊東ゆかりにとって、今年はコロナ禍で活動が制約される中でも、手応えのある1年だった。

 コロムビア時代に残した1970年-77年の曲を編集した4枚組CDボックスを8月末にリリース。11月10日には長女の歌手・宙美(ひろみ)と「デュオで親子でライバルで」と題したコンサートを静岡県の富士市文化会館で開催する。

 物心ついた時から米軍キャンプで歌い、1958年にキングレコードからデビュー。60年代、日本の芸能界で一時代を築いた渡辺プロダクションから中尾ミエ、園まりとの「スパーク三人娘」で売り出し、20歳となる67年にリリースした「小指の想い出」が大ヒットした。

 70年にコロムビアに移籍。今回のボックスでは、LP16枚とシングル盤の中から、昨年10月に亡くなった、希代のヒットメーカー・筒美京平さん作曲の「誰も知らない」など円熟期の作品を凝縮した。ライブ盤では、バート・バカラック作曲の「世界は愛を求めている」やカーペンターズの「イエスタデイ・ワンス・モア」など洋楽のカバーも歌われ、歌謡曲というジャンルにはとどまらない、引き出しの多いポップスシンガーであることが伝わってくる。

 同ボックスには隠れた名曲も多い。「娘(宙美さん)がお腹の中にいる時の曲」という「朝が来たら」。元夫の歌手・佐川満男の盟友であり、昨年12月に亡くなった作曲家・中村泰士さんが手がけた「深夜放送」。愛娘が21歳になったら…という近未来ソング「1990年」はコンサートでよく披露する。コロムビア時代最後のシングル「ロマンチスト」は筒美作曲、松本隆作詞で、自身が司会を務めたTBS系の音楽番組「サウンド・イン“S”」でも歌われた。いずれも「かけがえのない財産」だという。

 同社のコールセンター担当者によると、「お客様の反響として『声も歌い方も、聴く人たちに押しつけないクールなところがゆかりさんの魅力』といった声がありました」とのこと。制作スタッフは、よろず~ニュースの取材に対して「今の時代にも違和感のない洗練された歌と良き時代の豪華なサウンド。初CD化の曲も含めて堪能していただけるのではないでしょうか」と手応えを示した。

 深まる秋に伊東は思いを語る。「コロナ禍で普段の当たり前の事ができず、特にエンターテインメントについては、延期公演が多く、ダメージが大きいですが、お客様の前で歌える喜びも一際うれしく感じられました。いつまでも歌えるように、精進していきます」。目前に迫った娘との共演には「親子で、ボイストレーニングと、ドレスが着られるように、ダイエットしています」と備えている。

 「今年のお正月は、元旦からお仕事でしたが、来年のお正月は、のんびり過ごしたいですね。そして、デビュー65周年であると共に、(幼い頃から)歌い始めて70年になるということで『古希コンサート』を考えております。じっくり構想を練っていきます」。生涯一シンガーを貫く。

(デイリースポーツ/よろず~ニュース・北村 泰介)

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