「古見さんは、コミュ症です。」コロナ禍で“優しさ”再認識 ドラマ、アニメ化でさらに注目

 「少年サンデー」で連載中の「古見さんは、コミュ症です。」が盛り上がっている。オダトモヒト氏によるマンガそのものも人気作品だったが、立て続けにドラマ化、アニメ化された。

 NHK総合で放送中のドラマ版(月曜、後10・45)ではNEWSの増田貴久(只野仁人)、池田エライザ(古見硝子)らが出演。アニメ版は10月6日からテレビ東京などで放送がスタート(水曜、深夜0・00、Netflixでも配信)した。

 同作は、容姿端麗で近寄りがたい雰囲気を持つ古見硝子(こみ・しょうこ)が、個性が強い人物ばかりが集まる私立伊旦高校に入学し、隣の席になった只野仁人(ただの・ひとひと)らと友情を深めていく物語。古見さんは人とコミュニケーションを取るのが極端に苦手で、時折、超小声でボソッとつぶやくことはあるが、基本的には筆談。「友達を100人作りたい」という目標がある。

 基本的には古見さんをはじめとした、個性の強いキャラクターたちが繰り広げるコメディー作品だが、友情や恋愛要素がほどよく盛り込まれているのがポイント。ただ、笑うだけではなく、読者や視聴者をほっこりさせたり、ドキドキさせたりしてくれる。

 企画そのものは以前から動いていたとみられるが、この時期にメディア化が重なったのが、まるで必然だったかのように見える。コロナ禍の中で、人と人とが直接コミュニケーションをとるのが難しくなってしまった時代に、笑いをまじえつつ、あらためて「コミュニケーションの大切さと難しさ」を教えてくれる作品が注目された。

 さらに、登場人物たちが、どんなに個性が強くても、悪い人がいないというのも心を引かれる点だ。それぞれが、極端なこだわりを持っているが、人を否定することはしない。ネット上での心ない言葉が問題となっているタイミングで、「否定しない」スタンスもありだと思わされた。

 澤田英延

(デイリースポーツ/よろず~ニュース・澤田 英延)

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