出川哲朗62歳「おじいちゃんになっても」生涯リアクション芸人宣言 テレ東「充電旅」が来年放送10周年「感無量」 ダチョウ倶楽部・上島竜兵さんとの思い出も回顧

 タレント・出川哲朗(62)の笑いの旅が続いている。テレ東系の冠番組「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」(土曜、後6・30)は来年で10周年を迎える長寿番組になった。「正直、夢にも思わなかった」と感慨をのぞかせつつ、「クビと言われるまで続けたい」と闘志を燃やす。かつて「お笑いウルトラクイズ」や「熱湯風呂」などで培ったリアクション芸も「伝えていかなきゃいけないですよね」と、伝承への熱い思いも語った。

 番組でおなじみのオーバーオール姿で、陽の雰囲気全開だった。2017年からレギュラー番組になった「充電旅」。「ヤバイよ、ヤバイよ」と言いながらロケに臨んだこともあったというが、苦難を乗り越え、ゴールデンタイムで続いている。

 「感無量ですねえ。土曜8時というのはドリフだったり、ひょうきん族が放送されたりと、芸人にとって、特別な枠。60歳まで続きますようにと思っていたんですけど、まさかここまで続くとは」

 放送開始当初は電動バイクそのものも知られていなかった。「理解してもらえず『えっ?充電って何ですか?』って感じで。番組が認知されるようになってみんなスイカヘルメットを見ただけで分かってくれる。『充電、どうぞ、どうぞ』と言っていただいて。説明しなくてもよくなって」。今では充電させてくださいとお願いしなくても地元の皆さんに理解されるようになり、認知度を実感。続けてよかったと思える瞬間だという。

 思い出は数知れない。どしゃ降りの中での走行はもちろん、真夏での走行では同学年の俳優・唐沢寿明から「『この年でやる仕事じゃないよ!』と言われちゃって。真冬のバイクもきついですけど、真夏も相当ですよ」と苦笑い。苦行ともいえる思いも味わった一方で、人生観の変わる最高の体験もした。

 17年、石川・千里浜なぎさドライブウェイ。ダチョウ倶楽部・上島竜兵をゲストライダーに迎え、海岸沿いの砂浜を走行した。「海の波を感じながら砂浜をバイクで走るってステキすぎて。しかも、そこを一緒に走ったのが上島竜兵で、夕日のタイミングも重なって全てがそろっていて、映画のワンシーンみたいだった」。過去一とも言う絶景を見て、この番組を長く続けようと思ったという。

 充電旅で47都道府県を制覇した。走行距離はあと少しで2万5000キロに迫り、走るたびに、日本の風景の良さを伝えたい思いが強くなっている。

 「番組をやる前まで、外国かぶれしてたんですよ。『世界を見なきゃダメだよ』と周りに本心で言っていたんですよ」

 出演中の日テレ系「世界の果てまでイッテQ!」で頻繁に海外ロケに行っていたことも理由の一つだったが、「充電旅」との出会いで考えは一変。「この番組で日本の隅々まで行って、日本の良さ、日本人の優しさを再確認できた。今一番、最高の形で仕事をさせてもらっている」と感謝を口にした。

 デビューから体を張ったリアクション芸を磨き続け、確固たる地位を築いた。「おじいちゃんになってもリアクション芸人でいたいなと」と生涯リアクション芸人を宣言。「熱湯風呂とか熱々おでんとかやったときに『このおじいちゃん大丈夫?心配になっちゃうよ』と思われないで笑ってもらえるようなおじいちゃんになりたい」と未来に思いをはせた。

 ご時世的にコンプライアンス(法令順守)は厳しくなっており、制約も多くなっている。それでも「やれる場所があるんだったら永遠にやりたいです」と熱く語り、「僕がたけし軍団さんとか、ダチョウ倶楽部さんに教わったように、ここまでやったら危ないよとか分からないスタッフもいるから、伝えていくところは伝えていかないといけない」と、リアクション芸の神髄を若手へ継承していきたいという。

 還暦を過ぎた今では自身の代表作となった「充電旅」。放送開始後、尿管結石を患ったこともあった。それでも「ロケで神社仏閣に寄ると、最初に健康のことをお祈りしますね。だから、ウニもマヨネーズも、いくらも一切やめません。お祈りしているから大丈夫です」と笑う。医者から控えるように言われている好物を断つ考えはなく「その方がストレスはないから大丈夫」と、神頼み?が健康を維持する秘訣(ひけつ)という。

 番組10周年を来年に控える。目指す“充電旅”物語は?「自分がクビになるまでやらせていただければ。『はい終了』と言われるまでやりたい」。どんな悪天候、ハプニングも「ヤバイよ、ヤバイよ」と言いながらも乗り越えてきた。充電ライダーもリアクション芸もやめない。出川哲朗、まだまだ走る。

  ◇  ◇

 約1時間に及んだインタビューの中で、最近になって涙が出るほど感動した出来事があったと明かしてくれた。出川は野球の古豪でもある神奈川・武相高校出身で、軟式野球部に所属。その試合応援で、自身の名前が連呼される応援歌ができたという。

 「武相のOB、でがわてつろう!」。先輩からそんな応援の様子がアップされているYouTubeを見せられて知ったといい、「スタンドで僕の名前を歌ってるんです。マジで感動しました」と身を乗り出した。

 神奈川は野球の激戦区。その中で、母校の甲子園出場を強く願っている。「横浜もいて、あの強豪校が集まる中で一校になるからこそ意味がある。甲子園に行ってくれたら間違いなく応援に行きます。応援ソングも歌ってくれたら泣いちゃうかもしれない」。後輩芸人への面倒見の良さで知られる出川。同様に、母校への強い愛を抱いていたことが、意外だった。

 また、プロ野球・ヤクルトの公式ファンクラブ名誉会員第1号でもある出川が、デイリースポーツに異例のお願いをした。「デイリーさんはタイガースですが、もうちょっとヤクルトのことを取り上げてくださいよ。担当の方に言っておいてください」。「充電旅」のロケ中もリアルタイムで試合を見ることもあるほど、ヤクルトの試合結果に一喜一憂している。失速中の現状に不満はありありで「これ以上ヤクルトのことを話すと、愚痴になっちゃいそう」と苦笑いしていた。

 ◆出川哲朗(でがわ・てつろう)1964年2月13日生まれ、神奈川県出身。85年に日本映画大学演劇科卒業後、芸能界デビュー。リアクション芸人としての地位も確立し、93年に「第13回ビートたけしのお笑いウルトラクイズ」で優勝。2007年から日本テレビ系「世界の果てまでイッテQ!」にレギュラー出演。17年からゴールデン帯初の冠番組「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」に、21年からNHK Eテレ「出川哲朗のクイズほぉ~スクール」に出演中。趣味は映画鑑賞。

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