【最終回】私の師匠は猫

 最終回となりました。毎回猫についてのあれこれを枕ことばにして続けてきたコラムですから、最後はやはり猫で締めることにしましょうか。去年から今年は空前の猫ブームということですが、私をはじめ猫好きにはブームも何もありません。日々癒しをくれる猫たちのために一生、力になっていきたいなと思っています。それでもここ最近、そのブームのおかげであらゆる猫事情を知ることになりました。

 住民がお年寄りばかりの数十人であるのに対して、猫が100匹以上、繁殖している島があるとのこと。観光地化されていく反面、深刻な問題も抱えているとのことです。

 一方、福井県越前市の御誕生寺は“猫寺”とも呼ばれていますが、私が訪れた時も20数匹がお寺の一角で穏やかに暮らしていました。中には「ノルウェージャンフォーレストキャット」という毛の長い、おそらく血統書が付けば相当高額で売られていそうな美しい猫も暮らしていました。何らかの理由で血統書が付かなかったのでしょう。山に捨てられたその子を見つけた時には、タヌキなのか、何なのか、見当がつかなかったと住職さんが話してくださいました。繁殖力の強い猫たちと人間との共存の仕方についても、しっかりと見つめていこうと思っています。

 また、そんな猫たちとの生活で考えさせられたことの1つが「食」についてです。以前飼っていた猫の舌が扁平上皮癌(がん)という、とても悪質な癌に侵されたことがあり、その際に、安易に与えているペットフードの危険性を思い知らされたという経験がありました。その時のことがきっかけで、自分自身の食べるものにも敏感となり、今年は薬膳漢方検定なるものを受けてみようかとも考えているところです。うっかりしていると、時間はあっという間に過ぎていきます。

 2020年には東京五輪も控えています。住んでいる街にオリンピックがやって来るというのはやはり心が躍ります。前回は私が生まれる2年前のことでしたから、今回が初体験。東京が変わっていくところを間近に見ることになります。変わっていくべきものと、変わらずに残しておかなければいけないものの見極めも難しい時代なのでしょう。

 しかし、そんなことはお構いなく、陽射しの温かい場所を見つけては気持ちよさそうに眠る猫たちを見ていると、頭が下がる思いになります。つまりは、いつになっても私の師匠は猫ということですね。

 10代半ばでデビューした私にとって、女優として50~60代という未知の領域に入っていくことは自分自身でも楽しみです。今後ともどうぞよろしくお願いします。そして最後に皆さん、ご愛読ありがとうございました。(おわり)

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