甲斐氏側敗訴の可能性高いと北村弁護士

 モデルで歌手の土屋アンナが主演舞台の稽古に参加しなかったために上演が中止になったとして、プロデューサーの甲斐智陽氏が土屋に約3000万円の損害賠償を求めた訴訟が9日に東京地裁で結審した。判決は来年1月に言い渡される。どのような判決が予想できるのか。日本テレビ「行列のできる法律相談所」などに出演する北村晴男弁護士に聞くと、甲斐氏側が実質的に敗訴する可能性の方が高いのではとの見通しを示した。

 その理由として北村弁護士は、裁判所が昨年12月に「土屋側が解決金210万円を払う」という和解案を提示したことをあげた。土屋側は受け入れの意向を示したが、甲斐氏側が拒否して物別れになった。

 北村弁護士は「原告側が求めた3000万円に対して裁判所が示した210万円というのは、原告にとって敗訴的和解勧告」と指摘。その後、今月9日に結審するまで新たな和解案が提示されていないのであれば裁判所の心証も変わっていないとみられる。

 また、土屋側は稽古に参加できなかった理由として原作者の承諾書をもらうことを甲斐氏側に求め、甲斐氏側も同意を得ていたと主張していた。仮に、原作者の承諾書などが証拠として裁判所に提出されていなければ土屋側に稽古に参加しなかった「正当な理由がある」と評価される可能性がある。

 以上のことから北村弁護士は「原告の請求は大部分が認められない可能性がある。判決での損害賠償額は多くて和解案と同じ210万円。それ以下か、場合によっては0もありうる」と指摘した。

 甲斐氏は9日にあった口頭弁論の終了後、報道陣の取材に応じ「俺が200万泣いて、あっちが2800万なら納得しますよ」と話しており、判決が敗訴的内容であれば控訴することを示唆している。

 結果的に最高裁までいくと判決は確定するものの両者の心のしこりはぬぐえず、「紛争が消えたとは言えない」と北村弁護士。「和解というのは最もしこりが残らない解決法」と「和解」の重要性も合わせて指摘した。

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 北村晴男(きたむら・はるお) 弁護士。長野県出身。日本テレビ系「行列のできる法律相談所」にレギュラー出演。趣味はゴルフ、野球。月2回スポーツを中心としたメールマガジン「言いすぎか!!弁護士北村晴男 本音を語る(https://www.tama-project.com/mailmagazin/)」を配信中。

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