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【大橋未歩アナ】コロナを契機に変わるかスポーツとの向き合い方

 「大橋未歩のたまたまオリパラ!」

 飛沫を飛ばさない、スポーツ観戦にうってつけの競技がある。主に視覚障害者が5対5で行うブラインドサッカーだ。キーパー以外は公平を期すためにアイマスクを着用し、視界を完全遮断した状態で、フットサルと同じ大きさのピッチを縦横無尽に駆け巡る。

 選手の頼りは主に聴覚。ボールには鉛が入っていて動くとシャカシャカと音が鳴る。耳から入ってきた情報から空間認知をして戦況を把握する。日本代表クラスになると、なんと「頭の中で見えている」らしい。

 試合を何度か観たが、当然プレーの邪魔をしないようにサイレント観戦が必須となる。驚くのが10番を背負うエースストライカーの川村怜(かわむら・りょう)選手だ。ドリブルで右に左にとディフェンスをかわす。ボールに近づく時は声を出して相手に知らせるというのがルールであるものの、全く見えていない中で、何故直前までディフェンスを引きつけて絶妙な角度でかわすことが出来るのか、不思議でならない。川村選手の放ったシュートは、見えているキーパーの横をすり抜けてゴールネットに突き刺さった。「見えない選手が見えている選手からゴールを奪うのも痛快」だと話す。

 そのブラインドサッカーの国際大会、ワールドグランプリが5月30日開幕した。世界ランキング12位の日本は、初戦で14位のフランスと対戦。エース川村選手が開始早々、左でパスを受けてドリブルからゴール右隅に決めて先制。終盤、追い上げるフランスに対して日本のディフェンスも激しさを増し、フランス選手が胸ぐらをつかむという緊迫した場面もあったが、1点を守りきり日本が勝利した。

 この大会のスポンサーは参天製薬。日本ブラインドサッカー協会と10年にわたる長期パートナーシップ契約を締結した。障害者の活躍推進に取り組む国際組織「The Valuable 500」に加盟し、視覚障害者に対する理解の醸成や、製品やサービスの開発を強化する。今回は無観客でのYouTube配信だったため「この試合を地上波で観たい」というコメントも散見された。企業の社会的責任が問われる時代に、メディアはパラとどう向き合っていくのだろうか。

 ◆大橋未歩(おおはし・みほ)1978年8月15日、神戸市出身。フリーアナウンサー。2002年入社のテレビ東京時代にアテネ、北京、ロンドン五輪を取材。18年にパラ卓球アンバサダー就任。19年から「東京2020パラリンピックの成功とバリアフリー推進に向けた懇談会」メンバー、パラ応援大使でも活躍。

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