人気エレクトロポップ・デュオのメンバー逝去 66歳 直前まで新アルバムを制作

 英国のエレクトロポップ・デュオ、ソフト・セルのメンバーであるデイヴ・ボールさんが22日、ロンドンの自宅で眠るように亡くなった。66歳だった。長年健康状態が思わしくなかったとされ、バンドメイトのマーク・アーモンドは「素晴らしく輝かしい音楽の天才」と故人を称えた。

 マークは公式サイトで「この文章を書くのも、受け入れるのも辛い」と述べ、病を抱えながらもスタジオでの制作を続け、英国でのライブにも参加していたことを明かした。最後の公演は数週間前のリワインド・フェスティバルで、2万人以上の観客を前に熱演し、大きな喜びを感じていたという。

 2人は直前まで新アルバム「ダンステリア」の制作に取り組んでおり、完成直後にデイヴさんが亡くなったことにマークは「心が張り裂けそう」と語る。「彼の音楽はこれまで以上に素晴らしく、まさにソフト・セルそのものだった」とし、このアルバムが2人の音楽的旅の締めくくりになると述べた。

 1979年にリーズで美術学生だった時に出会った2人は、1981年にデビュー作「ノン・ストップ・エロティック・キャバレー」を発表し、ペット・ショップ・ボーイズやユーリズミックスらの道を切り開いた。セカンドシングル「汚れなき愛」は1981年の英国年間売上1位を記録し、世界17カ国でチャートを制した。

 デイヴさんはソフト・セルのほか、リチャード・ノリスとのユニット「ザ・グリッド」でも活動、またカイリー・ミノーグや故デヴィッド・ボウイとのコラボ歴もある。マークは最後に「君がいてくれたから今の僕がある。ありがとう」と感謝を述べ、遺族への思いを寄せた。 

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